【高浜市の異世界体験】歌舞伎が息づく「高浜茶屋吉貴」で、時代を超えるひととき ( 愛知県高浜市の旅 : 2025-03-01 )
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高浜茶屋吉貴 / 人形小路一番館
高浜茶屋吉貴
愛知県高浜市にある「ドラゴンパーク(たかびれ公園)」をあとにし、名鉄三河線に沿って北へ歩くこと約10分。旅の締めくくりに選んだのは、以前雑誌で紹介されていて気になっていた「高浜茶屋吉貴」です。
公式サイト:https://takahamatyayayoshiki.jimdofree.com/
人形の町として知られる高浜市。
その文化を存分に感じられるこの施設は、なんと等身大の人形たちが繰り広げる“人形歌舞伎を楽しむことができる、全国的にも珍しい場所です。
愛知県に20年以上住んでいながら、まったく知らなかったことに驚きつつ、わくわくしながら中へ。
建物に入ると、まず出迎えてくれたのは、どこか懐かしい空気。ですが、最初は人の気配がなく、1階の少し薄暗い空間に一瞬不安になる場面も。
とはいえ、民芸品や駄菓子が並ぶレトロな雰囲気が逆に旅情をそそります。
しばらくすると、お出かけしていた年配の女性の方(おかみさん)が戻られ、「2階の歌舞伎(入場料は500円)もぜひどうぞ」と案内してくださいました。
いよいよ階段をのぼり2階の歌舞伎小屋へ。扉を開けた瞬間、思わず「すごい……」と声が漏れました。
そこには、本格的な歌舞伎舞台を模した空間が広がり、煌びやかな衣装をまとった100体以上の等身大人形が、舞台にも、桟敷にも、観客席にもずらりと並んでいます。
舞台では、有名な歌舞伎の名シーンが、人形たちによってリアルに再現されており、照明や音楽、効果音も相まって、その場に“生の舞台”が存在しているような感覚になります。
人形たちは静止しているはずなのに、その表情、仕草、衣装の細部にいたるまで、まるで本当に演技しているかのような迫力。次々に登場するキャラクターたちが織りなす世界観に、気づけば前のめりで見入っていました。
観客席には殿様や姫、町人たちが並び、皆が舞台に集中している。私はひとりで観ているのに、まるで本物の芝居小屋に紛れ込んだ観客の一人のような錯覚すら覚えました。
その臨場感と没入感に、終始鳥肌が立ちっぱなし。
まさに、時代を超えて心を揺さぶられる体験でした。
興奮冷めやらぬまま、再び1階へ戻ると、今度はお茶のおもてなしをいただきました。これがまた嬉しいひとときで、あたたかなお茶をいただきながら、おかみさんと自然に会話がはずみます。
気がつけば、1時間以上も話し込んでしまいました。
Googleマップに登録されていた公式サイトが古かったため、スマホを片手に、一緒に正しいURLを再登録することができました。
たいしたことではありませんが、お手伝いできて光栄でしたね。
この施設は個人で運営されているため、大きく取り上げられることも少なく、観光案内などでも紹介されにくいのが現状とのこと。でも、だからこそ“知る人ぞ知る穴場”としての魅力が光っています。
「高浜茶屋吉貴」は、ただの観光スポットではありません。そこには、職人の魂と地域の誇りが息づく”小さな大舞台”があります。
ネットでは得られない、本物の感動がここにはありました。
歌舞伎を知らない人でも、歴史や人形に詳しくない人でも、心から楽しめる空間。こんな場所がもっと知られるようになってほしい…そんな想いが自然と湧いてくるほど、素敵な体験でした。
何度でも訪れたい、心に残る場所。
また必ず、あの舞台に会いに行きます。
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営業時間:11:00~16:00
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定休日:なし(ただし臨時休館の場合あり。事前に電話確認がおすすめ)
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アクセス:名鉄三河線「三河高浜駅」または「吉浜駅」から徒歩圏内
興奮を胸に、次は吉浜駅近くの「人形小路一番館」へふらりと立ち寄り、旅の終着地・刈谷市へと向かうことに。つづく。
吉浜駅
◆地図
〒444-1331 愛知県高浜市屋敷町1丁目6−5