ジブリパーク「ジブリの大倉庫」を歩く。非日常の世界へ( 愛知県長久手市の旅 : 2025-09-03 )
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ジブリパーク(愛知県長久手市)
午前の観覧を終えて、いよいよ大倉庫へ
2025年9月3日。
午前中は愛・地球博記念公園で開催されていた「鈴木敏夫とジブリ展」を観覧し、作品の裏側に触れるような濃密な時間を過ごしました。筆跡や原画、アイデアの断片が並んだ空間は、作品の舞台裏を覗くような面白さがあり、気づけばじっくりと長居してしまいました。
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その後は、公園内にある「愛・地球博記念館」を初めて訪れ、迎賓館としての面影が残る落ち着いた空間で、愛・地球博の歴史と賑わいを思い起こす展示をゆっくり見学。ガラス張りのラウンジで眺める庭園の景色は心が落ち着き、次の予定までの時間にぴったりの癒やしでした。
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そして13時を少し過ぎたころ。
ついに、この日の最終目的地である ジブリパーク「ジブリの大倉庫」 に向かいます。公園の中央付近まで戻ると、急に人の流れが増え、ワクワクした空気が漂い始めます。ジブリ展や記念館の静けさとは違い、ここからは一気に“テーマパークの熱量”が押し寄せてきます。
ジブリパーク「ジブリの大倉庫」とは
ジブリパーク「ジブリの大倉庫」は、ジブリ作品の世界観を屋内で存分に味わえる複合エリアです。巨大な倉庫を改装して作られた空間には、作品の展示、映像コンテンツ、フォトスポット、企画展、ショップ、カフェといった多彩な要素がぎゅっと詰め込まれています。冷暖房が整った屋内施設なので、天候に左右されることなく長時間楽しめるのも特徴です。
建物に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、映画のセットのような街並み風の空間。カラフルな看板やレンガ造りの壁、奥へ続く路地など、どこを見ても写真を撮りたくなる造形が広がっています。子どもから大人まで楽しめる展示が多く、「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「借りぐらしのアリエッティ」など、人気作品のエリアが充実しています。
特に注目なのは、企画展示や映像展示を行う「オリヲン座」というシアター。ここでは短編アニメを専用スクリーンで上映し、映画館さながらの雰囲気で作品を楽しむことができます。さらに、作品にちなんだ軽食やスイーツを提供するカフェ「大陸横断飛行」や、オリジナルグッズが揃う「ショップ 冒険飛行団」など、滞在中の楽しみが尽きません。
ジブリ作品に詳しい人はもちろん、そうでない人でも、空間そのものが楽しめる設計になっているため、テーマパークとしての満足度が高いのが魅力です。まるで映画の中に迷い込んだかのような体験ができ、老若男女が長時間滞在しても飽きない大規模な“屋内のジブリの世界”といえます。
入場だけで40分以上の待ちという熱気
ジブリパーク自体には何度か訪れたことがありましたが、これまで有料エリアに足を踏み入れたことはありませんでした。平日ならスムーズに入場できるだろうと軽く考えていたところ、そんな期待は見事に裏切られます。大倉庫の前にはすでに長蛇の列。館内へ入るだけでも40分以上の待ち時間が発生していました。
ゆっくり展示を見る体力を温存したいところですが、列の進みは緩やかで、周囲のざわめきと期待感に包まれながら少しずつ前へと進みます。入り口近くのロビーに入るころには、ようやく順番が回ってきた安堵感と、これから始まる非日常への期待で胸がいっぱいになりました。
しかし、待ち時間はこれで終わりではありません。館内の各エリアや展示室も大盛況で、人気の展示は列が伸びており、思っていたように自由に巡ることは難しい状態でした。テーマパークらしい混雑に少し驚きつつも、それでも歩いているだけでワクワクするのがジブリパークの不思議な魅力です。
並んでいても楽しい“非日常の魔法”
ディズニーランドでも感じることですが、この「園内にいるだけで楽しい」という感覚は、テーマパークそのものの魅力だと改めて思います。ミッキーやミニーの熱烈なファンでなくても夢中になれるように、ジブリ作品も特別に詳しいわけではない私でも、建物のデザイン、照明、世界観の作り込み、そのすべてから湧き上がる非日常感に心が踊ります。
細部までこだわった街並みや、キャラクターを連想させるモチーフが散りばめられた装飾を眺めているだけで、自然と気持ちが高まっていきました。
今回時間が合わずに諦めた「カフェ 大陸横断飛行」と「ジブリのなりきり名場面展」は、次回再訪の際のお楽しみにすることにします。
「借りぐらしのアリエッティ」エリアで感じた胸の高鳴り
今回、私が最もテンションが上がったのが、「借りぐらしのアリエッティ」の世界を体感できるエリアでした。アリエッティたち“小人”の視点で造られた空間は、とにかく迫力満点です。
小人の庭に入ると、人間の背丈を軽々と超える巨大な草花や虫たちが目の前に現れます。普段見慣れた植物がこんなにも大きくなるだけで、まるで自分が物語の登場人物になったような没入感が生まれます。子どもたちが歓声を上げていましたが、大人の私でも思わず足を止めてしまうほどのスケール感です。
床下の家に入ると、さらに驚きが続きます。人間が日常的に使う道具が“小人の視点”で再現されており、一つひとつが圧倒的な大きさに感じられます。針やスプーン、ボタンなど身近なものが巨大なオブジェのようで、アニメを見ていなくても世界観を十分に楽しむことができます。細部まで丁寧に作られた空間にすっかり魅了され、思わず何度も見回してしまいました。
映像展示室「オリヲン座」で観た短編アニメ
館内を歩いたあと、ひと息入れるように向かったのが、広い映像展示室「オリヲン座」。まるでクラシックな映画館のような雰囲気で、ジブリの短編作品を落ち着いて鑑賞できる場所です。
この日は「水グモもんもん」が上映されており、軽やかで楽しいストーリーに、歩き疲れた身体もふっと和らぎました。ふかふかの椅子に座ってスクリーンを眺めるだけで、物語の中に吸い込まれていくような感覚があり、館内での休憩にちょうどいい時間になりました。
映画「風立ちぬ」のお菓子「シベリア」でほっと一息
昼食は、映画『風立ちぬ』に登場したお菓子「シベリア」。

カステラであっさりした羊羹を挟んだシンプルなお菓子ですが、食べてみると程よい甘さで、歩き回って疲れた体にすっと馴染んでくれます。過度に甘くないため食べやすく、テーマパークのフードにありがちな重さもないので、ちょっとした休憩にぴったりでした。
出口付近にあるショップ「冒険飛行団」は、まるで北海道物産展を思わせるような大混雑。商品棚の前には人だかりができており、ゆっくり見る余裕がなく、購入は今回見送ることにしました。
グッズは次回の楽しみにするとして、人の熱気であふれる売り場を横目に出口へと向かいます。
次回は午前入場で人気スポットを最優先に
初めての有料エリア体験は、混雑との戦いもありましたが、それ以上に“ジブリの世界に浸れる時間”が濃密でした。非日常に身を置くだけで気持ちが高まり、作品の知識がなくても十分楽しめるのが大倉庫の魅力だと実感しました。
次回来るときは、午前中の早い時間帯に入場して、人気の施設から順番に回れるようにしたいと思います。
今回見られなかったカフェや名場面展も、次の訪問での楽しみとして残しておきます。
ジブリの世界に包まれた1日は、午後のひとときとは思えないほど充実した時間になりました。次の季節にまた訪れて、新しい発見を見つけたいと思います。
地図
〒480-1342 愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1



















































