マリア&ジョイフルサウンズジャズオーケストラ:スプリングコンサート(アスナル金山)2025-05-25
マリア&ジョイフルサウンズジャズオーケストラ(アスナル金山)
2025年5月25日、旅の帰り道に立ち寄った金山駅で、偶然にも素敵な音楽と出会うことができました。
駅構内を歩いていると、どこからともなく大人びた雰囲気の音楽が聞こえてきました。
よくあるBGMかと思いきや、耳を澄ませば澄ますほど、そこには生の温度がありました。
音のする方向へ導かれるように向かうと、アスナル金山のステージで「マリア&ジョイフルサウンズジャズオーケストラ」のスプリングコンサート第2部がちょうど始まっていたところでした。
ステージには、きらびやかな楽器を抱えた大勢の演奏者たち。
トランペットやサックス、トロンボーンが並び、まさにビッグバンドの迫力そのもの。
演奏しているのは、私よりも一回り、二回りほど上の世代の方々が中心のようでしたが、その音はとてもエネルギッシュで、なおかつ落ち着きのある安定感に満ちていました。
ひとつひとつの音に余裕と説得力があり、長年培ってきた音楽への向き合い方が伝わってくるようでした。
個々の演奏が素晴らしいのはもちろんですが、何より全体のまとまりに惹かれました。
誰かが引っ張るのではなく、全員が自然に音楽の流れを作っていく。
その呼吸の合い方は、まるで長い時間を共にしてきた仲間同士のようで、見ていてとても心地よく感じられました。
思い返せば私も、10年ほど前まではサックスやクラリネット、アコースティックギター、電子ピアノなどを趣味で楽しんでいました。
生活の変化とともに楽器からは少し離れてしまっていましたが、この日の演奏を聴いて、音楽の楽しさを思い出すきっかけになりました。
音を奏でる喜びや、誰かと一緒に音楽を作り上げる感覚。演奏する側の楽しさが、そのまま音になって伝わってくるようでした。
ジャズの名曲を中心に構成されたステージは、どの曲も聴き応えがありました。
曲名はわからないものもありましたが、どの演奏も耳馴染みがよく、会場にいた多くの人が自然と足を止め、聴き入っていました。
特に印象に残ったのは、フィリピン出身のボーカリストを迎えて披露された「天城越え」。
原曲とはまた違ったジャズならではのアレンジが施されており、バンドの重厚な低音とボーカルの情熱的な歌声が絶妙に絡み合っていて、非常に聴きごたえがありました。
ステージの最後には、温かな拍手が会場を包み、心地よい余韻が残りました。
偶然立ち寄った場所で、こんなにも素晴らしい演奏に出会えたことが、なんだかとても嬉しく感じられました。
旅の終わりに、思いがけず心に残る体験ができたことに感謝したくなったほどです。
後日、公式サイトを見てみると、このオーケストラは東海地方を中心に、定期的にイベントを開催しているとのこと。
次回はスケジュールを調べて、ぜひ計画的に足を運んでみたいと思います。
音楽が持つ力や、人と人とをつなぐ温かさを改めて感じた一日でした。
ジョイフルサウンズジャズオーケストラ公式サイト
おしまい。