下呂温泉ぶらり散策記(2):賑わう東エリアと川音に包まれる遊歩道 ( 岐阜県下呂市の旅 : 2025-06-29 )

 

下呂温泉(岐阜県下呂市)

2025年6月29日の下呂温泉散策。午前中に飛騨川西側のエリアを歩き、噴泉池や川沿いの眺めを楽しんだあと、今回は飛騨川の東側に足を進めました。こちらは、まさに下呂温泉の観光の中心ともいえるエリアで、にぎやかな土産物屋や飲食店が並び、訪れた観光客でひときわ賑わっています。

西側では落ち着いた川の表情を感じられましたが、東側に渡ると雰囲気は一変。湯けむりを感じる温泉街の熱気、浴衣姿で散策する観光客、笑い声と川音が交じり合う独特の空間に心が弾みました。

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白鷺橋に立ち寄る

東エリア散策の出発点は、支流に架かる「白鷺橋(しらさぎばし)」。下呂温泉のシンボルである白鷺にちなんで名付けられた橋で、温泉街の写真スポットとしても人気があります。

橋の上には、チャップリン像や林羅山像が立ち、観光客が立ち止まって記念撮影を楽しんでいました。

チャップリン像は2001年に「ミラクルマイル事業」の一環として設置されたもので、実際に下呂と縁があるわけではないのですが、かえって意外性があって印象的です。温泉街に来た人々が思わず「なぜここに?」と話題にする存在感を放っていました。

白鷺橋の上から眺めると、支流と飛騨川が合流する風景が広がり、特に川面を渡る風が心地よい。橋を渡るだけでも、にぎわいと自然の調和を感じることができます。


せせらぎの小径を歩く

白鷺橋を渡った先にあるのが、観光客で賑わう「せせらぎの小径」。飛騨川に注ぐ支流沿いに整備された遊歩道で、両側にお店や足湯が点在し、歩くだけで温泉街の楽しさを味わえる場所です。

中でも目を引くのは「下呂温泉 足湯の里 ゆあみ屋」。ここでは足湯に浸かりながら、名物の「ほんわかプリン」を味わうことができます。湯けむりに包まれ、川の音を聞きながらスイーツを楽しむという贅沢な体験に、多くの人が列を作っていました。小さな子ども連れから若いカップル、海外からの観光客まで、笑顔でプリンを手にする姿が印象的でした。

その隣にある「さるぼぼはうす」もまた人気のスポット。足湯だけでなく、飛騨地方の郷土グルメや土産物が揃っており、観光客が賑わう様子はまさに温泉街の活気そのものです。


川音に包まれる遊歩道

にぎわいの「せせらぎの小径」から少し外れると、支流沿いにより落ち着いた遊歩道が伸びています。

ここを歩くと、一気に人通りが少なくなり、川の流れと風の音が主役となります。

ただ「静けさ」というよりは、川の流れが意外と速く、絶えず水音が響いているため、「川音に包まれる散策路」というのがふさわしいでしょう。都会の雑踏のような騒がしさではなく、大自然のリズムに寄り添うような音。耳を澄ますと、絶え間ない水の音が心地よいBGMとなり、暑さすら和らげてくれる気がしました。

川沿いの木々が作る木陰に入りながら歩くと、真夏の太陽の強さもどこか遠くに感じられ、時間の流れが少しだけゆるやかになる感覚を覚えます。にぎやかな温泉街を一歩離れるだけで、こんな別世界が広がるのは驚きでした。


歴史ある白鷺乃湯へ

再び温泉街の通りに戻り、北へ進むと「白鷺乃湯」が姿を現します。

下呂温泉の中でも古くから親しまれてきた日帰り温泉施設で、どっしりとした建物からは温泉街の歴史を感じます。

施設の前には「ビーナスの足湯」があり、観光客が足を温めながら一休みしていました。この日は30度を超える真夏日だったため、私は入るのを控えましたが、春や秋、冬ならばきっと足湯のありがたさを身にしみて感じられることでしょう。湯に足を入れながら語り合う人々の姿を眺めるだけで、心が温まる気がしました。


温泉街のグルメと名所

東エリアを歩けば、目移りするほど多くのグルメや名所に出会えます。

「下呂プリン」は小瓶に入った可愛らしいスイーツで、手土産としても人気。歩きながら食べる観光客の姿をよく見かけました。


「湯めかし堂」では、地元の食材を使った甘味が楽しめ、「下呂カリーパン」は揚げたての香ばしさに食欲をそそられます。

また、ちょっと変わった名所として「かえる神社」があります。「下呂(げろ)」と「かえる」の語呂合わせにちなんで作られた小さな神社で、「無事かえる」「お金がかえる」など縁起のよいご利益があるとされ、観光客が次々に手を合わせていました。境内にはユーモラスなかえるの置物が並び、思わず写真を撮りたくなる空間です。


賑わいと自然の調和

こうして歩いてみると、東エリアの魅力は「にぎわい」と「自然の調和」にあると感じます。商店や足湯で賑やかに過ごす時間と、川音を聞きながらのんびり歩く時間。その両方を味わえるのは、この温泉街ならではの魅力でした。

西エリアの落ち着いた雰囲気とは異なり、東エリアは観光客の笑顔や声があふれる場所。それでいて、すぐそばに川が流れ、自然が絶えず寄り添っている。人と自然が交錯する不思議な空間に、下呂温泉の奥深さを感じました。


次回へ

今回の散策では、飛騨川東エリアの賑やかさと川音に包まれる遊歩道の魅力を味わいました。土産物屋や足湯、白鷺橋や白鷺乃湯など、歩くだけで時間が足りなくなるほど見どころが詰まっています。

そして次回はいよいよ、今回の旅で個人的に最も満足度が高かった「下呂温泉合掌村」へ。飛騨地方の伝統建築や文化を凝縮したその空間は、まるで時をさかのぼるような体験でした。

地図・アクセス

〒509-2207 岐阜県下呂市湯之島856−1

 

 

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