京都鉄道博物館 前編:プロムナードと本館1Fで感じる鉄道の鼓動 ( 京都府京都市の旅 : 2025-05-10 )

 

 

京都鉄道博物館 前編(京都府京都市)

2025年5月、京都駅から徒歩圏内にある「京都鉄道博物館」を訪れました。

梅小路公園内に位置するこの博物館は、鉄道ファンはもちろん、家族連れや観光客にも人気の大型施設です。

想像以上に広大な敷地と展示内容に圧倒され、1日で全てを回るのは至難の業。

今回はその中でも、館内入り口近くにある「プロムナード」と「本館1F」の様子にフォーカスしてお伝えします。

駅のホームにタイムスリップ──プロムナード

チケットを手に、エントランスホールを抜けると、まず目の前に現れるのが「プロムナード」です。

本館とエントランスをつなぐ全長約100メートルのこの通路は、実際の駅のプラットホームをイメージして造られており、屋外でありながら屋根付きで、自然の光と風を感じられる心地よい空間。晴れた日には光が車体に反射して、美しい陰影を描いていました。

このプロムナードには、時代を象徴する鉄道車両が編成で展示されています。まず目を引くのは、蒸気機関車C62形──通称“シロクニ”。どっしりとしたボディと重厚感ある車輪の造形が、昭和の鉄道の力強さを物語っています。そして、そのすぐ後ろには、“夢の超特急”と呼ばれた0系新幹線が堂々と鎮座。子どものころにテレビで見た記憶が蘇り、思わず足を止めて眺めてしまいました。

個人的に心惹かれたのは、ナシ20形食堂車。

ブルートレインで活躍したこの食堂車は、現在カフェスペースとして活用されており、店内ではスイーツから軽食、さらにはアルコールまで楽しめるという贅沢な空間に生まれ変わっています。まさか旧車両の中でお酒を飲める場所があるとは思ってもおらず、予想外の出会いでした。さらに、駅弁のテイクアウト店もあり、小腹が空いたときの休憩にはぴったりのエリア。ただ、今回は入館前に食事を済ませていたため、残念ながら何もいただかず。その分、次回来たときは必ずこの食堂車で何か注文しようと心に決めました。

近代と歴史が交錯する空間──本館1F

プロムナードを抜けると、いよいよ本館1Fに入館します。

吹き抜け構造の広々とした展示フロアは、訪れた瞬間に「うわっ」と声をあげてしまうほどのスケール感。本館1Fは、鉄道の黎明期から現代に至るまでの歴史や構造、しくみなどを実物の車両や体験型展示を通じて学ぶことができるエリアになっています。

入ってすぐの展示で、まず目に飛び込んでくるのは、JR西日本を代表する名車たち。

500系521形新幹線、クハネ581形特急電車、そしてクハ489形特急電車が並ぶ姿は圧巻。3車両が並ぶだけでここまで迫力があるのかと、感心せずにはいられません。500系の流線型デザインは、未来への希望を象徴するかのようなフォルム。子どものころ夢中で描いていた“かっこいい電車”そのものでした。

一方、クハネ581形や489形は、今ではあまり見ることのない昔ながらの特急電車。どこか懐かしく、見ているだけでノスタルジックな気分に浸れます。どうして人は古い車両を見るとワクワクしてしまうのでしょうか。時代を超えて残された“本物”が持つ力、それを実感させられる展示でした。

昭和が蘇る「昭和乃駅」

館内の一角には、「昭和乃駅」という名の再現展示も。

これは昭和初期の地方駅を再現した小さな駅舎で、当時のポスターや木製のベンチ、手動改札口などがリアルに再現されています。

実際に中へ入ることもでき、当時の雰囲気を肌で感じられるのが面白いところ。今の駅と比べてどこか素朴で温かみがある空間は、現代の便利さとはまた違った魅力に満ちていました。

子どもも大人も楽しめる体験型展示

さらに進むと、電車のドア開閉体験や運転台の体験展示など、子どもたちが夢中になれるコンテンツも充実。

実際の電車のドアを自分で開け閉めできる展示は、思った以上に大人でも楽しめてしまう不思議な魅力がありました。こうした展示を通して、鉄道がただの“乗り物”ではなく、日々多くの人に支えられながら走っていることが伝わってきます。

本館1Fだけでも相当な展示量でしたが、まだまだ博物館の魅力は尽きません。本館2Fには鉄道の運転シミュレーターや展望デッキがあり、屋外には巨大な扇形車庫と転車台も待っています。特に、かつての梅小路機関区を活かした扇形車庫は、蒸気機関車好きにはたまらないスポットです。

今回の記事では書ききれなかったこれらのエリアについては、次回のブログでじっくり紹介したいと思います。鉄道の歴史と未来が共存する京都鉄道博物館。ほんの一歩足を踏み入れただけでも、これほど多彩な世界に出会えるとは思っていませんでした。

住所 / 地図

〒600-8835 京都府京都市下京区観喜寺町

 

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