人生初の長野市・善光寺へ(第2回/大門町から山門へ) 一生に一度は善光寺参り(長野県長野市の旅 : 2025-10-18)
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善光寺 参道/仁王門/山門(長野県長野市)
大門町交差点を越える瞬間――空気が切り替わる
大門町の交差点を渡った、その瞬間でした。
足元は変わらないはずなのに、周囲の空気がすっと切り替わるのを、はっきりと感じます。喧騒は後ろへと遠のき、視線の先には、緩やかな上り坂。その奥に、堂々と構える仁王門の姿が見えてきました。
ここからは、善光寺の境内へと続く正式な参道。
気持ちは自然と前へ向き、歩幅は少しずつ落ち着いていきます。この区間は、善光寺参りにおける“助走”のような時間。心と身体を整えながら、聖域へと向かっていく感覚がありました。
左手に目を向けると、善光寺の尼僧寺院である大本願が静かに佇んでいます。
大本願――女性たちが守り続けてきた祈りの場所
大本願は、善光寺の運営と信仰を長きにわたって支えてきた格式ある寺院です。
現在も女性僧侶によって守られており、その存在は善光寺信仰の大きな柱のひとつとされています。
表参道の賑わいから一歩引いた場所にあり、境内に漂うのは穏やかで張りつめた静けさ。華やかさを主張することなく、ただそこに在り続ける姿が印象的でした。善光寺の境内へ入る前に、自然と背筋が伸び、呼吸が整っていく。そんな感覚を覚えます。
参拝者たちも、このあたりから無意識に歩みをゆるめているようでした。
誰に急かされるでもなく、仁王門へと気持ちを向けながら、静かに前へ進んでいきます。
仁王門――俗世と聖域の境界線
やがて目の前に現れるのが、仁王門です。

善光寺境内の入口にあたるこの門は、現在の姿は1918年に再建されたもの。朱塗りの柱と重厚な構えが、参拝者を迎え入れます。
門の左右には、勇ましい金剛力士像。

筋肉の躍動感や表情の迫力に、思わず足を止めて見入ってしまいました。邪心を払い、境内を守る存在として、長い年月ここに立ち続けてきたことが伝わってきます。
仁王門をくぐることは、俗世から聖域へ足を踏み入れる行為。
見上げた瞬間、門の大きさと造形美に圧倒され、自然と背筋が伸びました。この規模感、この存在感。善光寺参りが本格的に始まったことを、身体で実感する瞬間です。
正直なところ、私自身、ワクワクが止まりませんでした。
仲見世通り――にぎわいと高揚感が交差する道
仁王門をくぐると、景色は一変します。
前半に広がるのは、にぎやかな仲見世通り。両脇には土産物店や食事処が立ち並び、七味唐辛子の香りや、おやきが焼ける匂いがふわりと漂ってきます。
参拝前の高揚感と、門前町ならではの人の温もり。
それらが混ざり合い、歩いているだけで気持ちが弾んできます。本当なら、気になる店に立ち寄り、食べ歩きを楽しみたいところですが、今回は時間が限られています。
「それは本堂で参拝を終えてから」
そう自分に言い聞かせ、後ろ髪を引かれる思いをぐっと抑えながら、先へと進みました。
濡れ仏と小寺院――喧騒の中に現れる静寂
仲見世を中ほどまで進むと、通りの雰囲気は少しずつ落ち着いてきます。
右手に姿を現すのが、「濡れ仏」。水をかけて祈願するこの仏像には、病気平癒を願う人々の切実な想いが重なってきました。
水で濡れた仏の表情はどこかやさしく、手を合わせる参拝者の姿も真剣そのもの。ここだけ時間の流れが違うように感じられます。
さらに一本、脇道へ足を踏み入れると、世尊院や尊勝院といった小さな寺院が点在しています。
そこには仲見世の喧騒が嘘のような、深い静寂の世界が広がっていました。

にぎわいと静けさ。その両方を同時に味わえるのが、善光寺参道の奥深さなのだと実感します。
善光寺山門――参道の終点にして象徴
そして、ついに善光寺山門へ。
境内の中央に構えるこの楼門は、1750年に再建されたもので、国の重要文化財に指定されています。二層構造の堂々たる姿は、まさに善光寺の象徴。正面から見上げると、その迫力にしばし言葉を失いました。
門の額に掲げられた「善光寺」の文字は、鳩字と呼ばれる独特の書体。
文字の中に五羽の鳩が隠されているとされ、平和や浄土を象徴する意味が込められています。こうした細部に、信仰の深さと遊び心が同居しているのも印象的です。
山門内部見学――参道を見渡す特別な視点
善光寺山門は、内部見学が可能です。
受付で法要料を納め、いよいよ楼上へと上がります。やや急な階段を一段ずつ踏みしめながら、胸の高鳴りが抑えきれません。
上層に出た瞬間、視界が一気に開けました。

眼下には、さきほどまで歩いてきた仲見世通りと仁王門。その先には長野の街並みと、遠く連なる山々。そして正面には、これから向かう善光寺本堂の姿が、静かに、しかし力強く佇んでいます。
参道の全体像を俯瞰できるこの景色は、今回の旅でもっとも印象に残る光景でした。
歩いてきた道の一本一本が、ここへとつながっていたのだと実感できる場所。
善光寺を訪れたなら、ぜひとも足を運んでほしい場所だと、心から思いました。
このあとは、いよいよ善光寺本堂へと向かいます。
その体験については、次のブログ記事にて詳しくお届けします。
住所 / 地図
〒381-0000 長野県長野市長野元善町492

















































