八幡堀とかわらミュージアムで出会う静けさと歴史 ( 滋賀県近江八幡市の旅 : 2025-03-15 )
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かわらミュージアム / 八幡堀めぐり / あきんどの里(滋賀県近江八幡市)
滋賀県の中央に位置する近江八幡。琵琶湖のほど近くにあり、水運で栄えたこの町は、今も歴史の面影を色濃く残しています。
今回の旅では、そんな近江八幡の魅力を、八幡堀やかわらミュージアムといったスポットを中心にゆっくりと巡ってきました。
水郷めぐりの風情を感じる
道中、目に飛び込んできたのは「水郷めぐり」の舟着場。
水路をゆっくりと進む手漕ぎ舟と、両岸に並ぶ木造の家屋。
葦が揺れ、水面がきらめく風景に、しばし足を止めて眺めてしまいました。
乗船はしませんでしたが、そこに流れる穏やかな時間は、まさにこの土地ならではのものでした。
昭和の記憶が残る「あきんどの里」へ
そのまま南下して訪れたのが、「あきんどの里」。
まるで道の駅のような施設ですが、まず驚いたのは広大な駐車場。
その広さに対して営業している店舗は少なく、建物も少し老朽化が進んでいます。
けれども、この場所には独特の“味”があります。
昭和の高度経済成長期には、ここに大型観光バスが何台も並び、観光の拠点として大きな賑わいを見せていたのだろうと想像させてくれる空気感が漂っていました。
静かにその歴史を語るような場所です。
トイレ休憩を済ませたら、いよいよ市街地の中心へ。
八幡堀──歴史が息づく水の道
近江八幡の象徴とも言える「八幡堀」。
豊臣秀吉の甥である豊臣秀次が築いたこの堀は、かつて琵琶湖と繋がり、物資の流通に欠かせない交通の要として活躍していました。
現在もその堀沿いには、白壁の土蔵や格子の町屋が並び、往時の姿を色濃く残しています。
時代劇やドラマのロケ地としてもよく使われており、歩くだけでどこか物語の中に迷い込んだような気分に。
水面に映る白壁の美しさ、水の音、風の匂い。
どれもが心を静かに整えてくれるようで、日々の喧騒を忘れてただただ歩くことの心地よさを感じました。
かわらミュージアム──瓦が語る美と職人技
八幡堀を歩いたあとは、すぐ近くにある「かわらミュージアム」へ。
全国的にも珍しい瓦をテーマにした博物館で、外観は白壁と瓦屋根が見事に調和し、堀の景観を美しく彩っています。
この施設には、なんと2万4,000枚以上の瓦が使われており、展示品も鬼瓦や瓦人形、さまざまな時代の瓦がずらり。
職人たちの細かな技術や芸術性を感じられる展示の数々に、思わず見入ってしまいました。
また、体験工房では鬼面やふくろう、コースターなどを粘土から手作りできるとのこと。
今回は体験はせずに見学だけでしたが、訪れる人が楽しみながら瓦文化に触れられる仕組みがあるのは素晴らしいと感じました。
今回の旅は、にぎやかな観光よりも、町の“静けさ”や“歴史”を感じることを大切にしました。
昔ながらの建物、ゆったりと流れる堀の水、瓦の持つ奥深い美しさ。
すべてがゆるやかに心に染み込んでくるようでした。
派手さはないけれど、どこか懐かしく、穏やかで、何度でも訪れたくなる町──それが近江八幡の魅力だと改めて感じました。
近江八幡の旅はまだまだ続きます。
地図
〒523-0821 滋賀県近江八幡市多賀町738−2