加家公園(メルヘンの森) ― 絵本のような散策路( 愛知県東海市の旅 )2025-05-25

 

加家公園(愛知県東海市)

メルヘンブリッジを渡って

大池公園から大窪公園へ、そして最後に向かうのは「加家公園(メルヘンの森)」。今回の散策の締めくくりです。

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これまで大窪公園から加家公園へ渡る橋の名前を知らなかったのですが、調べてみると「メルヘンブリッジ」というそうです。

名前を知ってから渡ってみると、その響きにぴったりな造形。カーブを描く橋の姿はまるでおとぎ話の入口のようで、渡る前から心が弾みました。

橋を渡りきると、目の前には「メルヘンの森」と呼ばれる加家公園。名前からしてすでに物語の世界のようで、自然と足取りが軽くなります。

狭くて長いユニークな公園

加家公園は住宅街に沿って南北に延びる、細長い形をした公園です。

端から端まで歩くとおよそ500メートル。数字だけ聞くと短く感じますが、幅がわずか50メートルほどしかないため、まるで「遊歩道に沿ったテーマパーク」のように感じられます。

大池公園や大窪公園が広大で自然豊かな「大きな公園」なのに対し、加家公園は「細長く物語性を感じる空間」。3つの公園をはしごしてきたからこそ、その違いが際立ちました。

美術館のような入口広場

まず目を引いたのは入口広場。

レンガづくりの落ち着いた雰囲気で、まるで美術館のエントランスに来たようです。中央にはブロンズ像が設置され、重厚感すら漂います。

季節によってはこの周辺にバラが咲き誇るそうで、その時期に訪れたら華やかさと芸術性が一体となった空間を楽しめるのでしょう。最初からフォトジェニックな雰囲気に圧倒されます。

芝生広場とメルヘンな造形物たち

北へ進むと、公園の中心となる芝生広場に到着しました。ここで驚かされるのが、あちこちに現れるユニークな造形物。

まず目に飛び込んできたのは、巨大なきのこ型のベンチ。

あまりのインパクトに、思わず写真を撮らずにはいられません。さらに奥へ進むと、お城の門を思わせる大きな時計台が現れます。まるで童話の世界に迷い込んだかのような風景です。

しかもこの時計台は中を通り抜けることができ、「門をくぐって次の世界へ進む」という仕掛けのよう。大人になった私でさえワクワクしてしまい、気づけば「入城」していました(笑)。

遊具はほとんど見当たりませんが、こうしたオブジェやデザインが公園全体を冒険の舞台へと変えてくれるのです。

芝生広場を抜けた先にも、物語の登場人物のような彫像が点在しています。うさぎやリス、フクロウなどの動物たち、さらには大きなおとぎ話の本をかたどったモニュメントまで。どれも一つひとつ丁寧に作られており、訪れる人の想像力をかき立ててくれます。

遊歩道と星城大学の風景

公園の中程からは、まっすぐに続く遊歩道が伸びています。道の両脇には街路樹が並び、奥へ奥へと誘われるよう。歩きながらふと横を見ると、すぐ隣には星城大学のキャンパスがありました。

大学のそばにこんな素敵な公園があるなんて、学生たちが羨ましい限りです。授業の合間にこの遊歩道を散策したり、芝生でお弁当を広げたり――想像しただけで、青春の一場面のような風景が思い浮かびました。

万葉の広場

さらに北へ進むと、加家公園の最北部「万葉の広場」に到着。ここはこれまでの「メルヘンな世界」とは打って変わり、歴史を感じさせる空間です。

江戸時代後期に活躍した儒学者・細井平洲の功績を紹介する展示や銅像が整備されており、公園全体の印象を大きく変えてくれます。

平洲は東海市出身であり、地元に深く愛された人物。展示はただ説明板が立っているだけではなく、絵日記のようにわかりやすく表現されていて、その完成度の高さには驚かされました。

まるで学びの小さな野外博物館のようで、「遊び」と「学び」が同居する公園の魅力を改めて感じます。

少し残念だった展望台

万葉の広場の近くには展望台もありました。しかし残念ながら、老朽化のためか立ち入り禁止。

展望台好きの私としては、ここからの眺めを体験できなかったのが心残りでした。それでも、いつの日か再整備されることを願わずにはいられません。

散策の終わりに

こうして500メートルにわたる加家公園を歩き切り、北の端に到着。ここからさらに10分ほど歩けば、東海市の名所・聚楽園公園へ行くこともできますが、今回の旅はここで終了としました。帰りは名鉄・新日鉄前駅から電車に乗り込み、散策を締めくくります。

3つの公園を巡って

大池公園の広大さと多彩な施設、大窪公園の静けさとキャンプ場、そして加家公園のメルヘンな造形と歴史的展示。それぞれに個性が際立ち、三者三様の魅力を持っていました。しかも隣接しているため、一日でぐるりと巡ることができるのも魅力です。

今回の散策を終えて思うのは、「散歩好きにとって最高の公園エリア」ということ。歩くたびに新しい発見があり、季節を変えて何度でも訪れたくなる場所でした。次は春や秋の涼しい季節に再訪し、また違った景色を楽しみたいと思います。

地図

〒476-0003 愛知県東海市荒尾町下畑

 

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