奥三河の“今”がここにある─「道の駅 もっくる新城」を訪ねて─(愛知県新城市の旅:2025-04-26)
道の駅 もっくる新城(愛知県新城市)
新城バイパスを歩いて
新城市を巡る旅もいよいよ終盤。
設楽原歴史資料館で戦国の歴史に思いを馳せたあと、最後の目的地として選んだのは「道の駅 もっくる新城」。
バス停はあるものの本数は少なく、飯田線との連携も限られるため、今回は徒歩で向かうことにしました。
道のりは、国道151号の新城バイパス沿い。
交通量の多い道路を歩くことにやや不安もありましたが、新しく整備された道路にはしっかりと歩道が確保されており、安心して歩を進めることができました。
道中は市街地から郊外へと景色が移り変わり、風の音や木々のざわめきに包まれながらの散策となりました。
「木材」と「来る」、もっくるの由来
やがて見えてきた「道の駅 もっくる新城」は、国道151号と新東名高速道路・新城インターを結ぶ拠点として生まれた施設です。
その名前は、“木材”と“来る”を掛け合わせた造語。「木のぬくもり」と「人が集う場所」というコンセプトが込められています。
施設の特徴は、奥三河の木材をふんだんに使ったアーチ型の大屋根。
建物に一歩足を踏み入れると、木の香りが漂い、自然の温もりが感じられます。見上げると、天井から放射状に延びる木材の構造美が広がり、どこか安心感を与えてくれる空間です。
地元の魅力が詰まった空間
「もっくる新城」は、単なる道の駅というよりも、地域の情報・食・文化を発信する“観光ハブステーション”としての機能も果たしています。
内部には直売所や軽食店、休憩スペースが集約されており、限られたスペースながらも見どころはたっぷり。
直売所には、新城をはじめ奥三河で育まれた農産物や加工食品がずらり。
季節ごとに異なる旬の野菜や果物、地元の味噌や漬物、乾物など、地の恵みを活かした商品が並んでいます。訪れるたびに新しい出会いがありそうです。
飲食スペースも充実しており、ラーメン店や定食屋さん、モーニングが楽しめるカフェ的なお店、焼きたてパンを販売するベーカリーなど、食事を楽しむ選択肢が豊富。
屋外エリアには五平餅やフランクなどを提供する屋台も並び、観光客だけでなく地元の方にも親しまれている様子がうかがえました。
さらに、ペット連れにもやさしい設計が施されており、ドッグランが併設されているのも特徴のひとつ。広い空の下で愛犬を遊ばせながら休憩する姿も見られ、地域に開かれた憩いの場所としての役割も果たしているようです。
三河東郷駅へ、そして次の旅へ
施設でひとときを過ごした後は、再び歩いて三河東郷駅へと戻ります。
飯田線に揺られながらの帰路、静かな車窓に流れる景色を眺めつつ、今回の旅を振り返っていました。
このエリアには、まだ訪れていない駅や町が数多くあります。飯田線の旅は、長時間の乗車が苦手な自分には少々ハードルが高く感じる場面もありますが、それでも行ってみたいと思わせる土地が点在しているのが魅力です。
新城市を中心に歩いた今回の旅では、史跡や資料館を巡り、そして最後に立ち寄った道の駅で、地域の今を知ることができました。観光地然とした華やかさではなく、日々の暮らしの延長にある営みに触れることができたことが、何よりの収穫です。
所在地
〒441-1318 愛知県新城市八束穂 五反田329−7
道の駅 もっくる新城HP:https://mokkulu.com/