敦賀鉄道資料館と金ヶ崎緑地で感じる、港町の記憶と風景 ( 福井県敦賀市の旅 : 2025-07-03 )
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敦賀鉄道資料館・金ヶ崎緑地(福井県敦賀市)
みなとつるが山車会館を後にし、歩いて敦賀港方面へと向かいました。今回の目的は、港エリアに広がる「金ヶ崎緑地」周辺の散策。昨年訪れた際は時間が足りず、じっくり見られなかったエリアです。今回はゆっくりと、敦賀の港町らしさを堪能していきたいと思います。
きらめきみなと館から眺める敦賀港
まず立ち寄ったのは、「きらめきみなと館」。
敦賀港のシンボル的なイベントホールで、音楽コンサートや地域イベントなどに使われる施設です。一見すると旅行者にはあまり縁のなさそうな建物ですが、館内の一角には、昔の敦賀港の風景写真や鉄道関連の資料などが展示されており、意外にも見応えがありました。
特に印象的だったのは、戦前の敦賀港を撮影したモノクロ写真。現在よりも多くの貨物船が行き交い、外国船の姿も見られ、国際貿易港としての活気が伝わってきます。敦賀が古くから「日本海側の玄関口」として発展してきた理由を、改めて感じさせてくれる展示でした。
展示を見終えた後は、「きらめきみなと館」の裏手に回り、港の方へ。
波止場越しに見える敦賀港の景観がとにかく美しい。湾を囲むように山々が迫り、穏やかな海面に船の影がゆらゆらと映り込む。時折、潮風が頬をなでる感覚が心地よく、「あぁ、この街の海は本当に穏やかだな」と改めて思いました。
鉄道の記憶が息づく「敦賀鉄道資料館(旧敦賀港駅舎)」
港を歩き進めていくと、白壁の趣ある建物が目に入りました。
ここが「敦賀鉄道資料館(旧敦賀港駅舎)」です。明治期の雰囲気を色濃く残す木造駅舎で、かつての敦賀港駅を忠実に再現して建てられています。
駅舎に一歩入ると、まず感じたのは「時間が止まったような静けさ」。当時の改札口を思わせる木の仕切りや、磨かれた床板の質感がどこか懐かしく、鉄道がまだ旅そのものの象徴だった時代に引き戻されるような感覚に包まれました。
展示室には、敦賀を通っていた鉄道の歴史や、実際に使われていた信号機・駅名標・線路の一部などが展示されています。
個人的には、展示物以上に、駅舎の窓越しに見える敦賀港の景色が心に残りました。
木枠の窓から覗く港の風景はまるで絵画のようで、古い時代の記憶と今の港が重なり合って見える。
「この駅舎のホームに立って、かつての旅人たちは何を思ったのだろう」――そんな想像が自然と浮かんできました。
港の風と木の香りに包まれる「金ヶ崎緑地」
敦賀鉄道資料館を出て、港沿いに広がる「金ヶ崎緑地」へと歩を進めます。
ここは敦賀港の再整備で誕生した広大な緑地公園で、海を望むウッドデッキや芝生広場、遊歩道が整備された、憩いのスポット。私にとっても、敦賀で一番のお気に入りの場所です。
この日は快晴。青空の下、港に浮かぶ船を眺めながらデッキに立つと、潮風が心地よく頬をなでました。
「やっぱり敦賀港のこの雰囲気、好きだなぁ」――思わずそんな独り言がこぼれます。
昨年訪れたときは時間がなく、駆け足で通り過ぎただけでしたが、今回は端から端までのんびりと歩いて堪能しました。海沿いのボードデッキからは、港町の穏やかなリズムが伝わってきます。カモメの鳴き声、港に反射する陽の光、そしてときおり聞こえる船の汽笛。時間の流れがゆるやかに感じられる場所です。
立ち寄りスポット「金ヶ崎緑地休憩所」でのひととき
公園内を歩いていると、しっかりとした2階建ての建物が見えてきました。こちらが「金ヶ崎緑地休憩所」。
ガラス張りの明るい建物で、1階には観光パンフレットやベンチ、2階には展望スペースがあります。港を一望しながら休憩できる絶好の場所です。
中に入ると、管理人のご主人が出迎えてくれました。
しばし談笑。旅先でこうした地元の方とお話できる瞬間は、いつも嬉しいものです。
外に出ると、頭上ではカラスがワシ(あるいはトンビ?)にちょっかいを出しており、思わず笑ってしまいました。港町らしいのどかな風景に、心が和みます。
金ヶ崎緑地を後にし、次に向かうのは「人道の港 敦賀ムゼウム」、そして前回も訪れた「敦賀赤レンガ倉庫」。どちらも敦賀の歴史を語る上で欠かせないスポットです。それについては次のブログ記事にて。
地図
〒914-0079 福井県敦賀市港町1−25



































