秀吉ゆかりの地「墨俣一夜城(大垣市墨俣歴史資料館)」【前編】 ( 岐阜県大垣市の旅 : 2025-03-29 )

 

墨俣一夜城(大垣市墨俣歴史資料館)【前編】

春の柔らかな陽射しに誘われて、かねてより訪れたかった「墨俣一夜城(大垣市墨俣歴史資料館)」へ足を運んできました。

岐阜県大垣市墨俣町にあるこのお城、歴史好きなら一度は耳にしたことがあるであろう(諸説ありますが)「一夜にして築かれた」という伝説が残る地です。

今回は、公共交通機関を利用してのアクセスから、周辺の散策スポット、そして一夜城までの道のりをご紹介したいと思います。

岐阜駅から直通バスで楽々アクセス

墨俣一夜城へは、名古屋方面からのアクセスも便利。

私はJR岐阜駅で下車し、そこから名鉄岐阜駅前にあるバス乗り場へ。

JR岐阜バスの「墨俣」行きは1時間に2本ほどの運行ですが、乗り換えが不要な直通便なので、観光にはありがたい存在です。

約27分のバス旅は、長良川を越えるあたりで景色が開け、ぐっと旅情が増します。

終点の「墨俣バス停」は始発でもあるので座れる確率が高く、また降りる際もわかりやすいのが魅力。

墨俣バス停を降りた瞬間、澄んだ空気と、町全体が歴史を包み込んでいるような静謐な空気に包まれます。

歩いて楽しむ歴史の道――一夜城への道中

バス停から北へ歩くことおよそ12分。

目的地までは平坦な道のりで、散歩にはちょうど良い距離です。

歩き始めてすぐに現れるのが「墨俣小学校」。

何気なく見上げた校舎の壁に描かれていたのは、なんと一夜城を模したかわいらしい壁画。

歴史の街に暮らす子どもたちの日常にも、しっかりとその文化が息づいているんですね。

ちょっとほっこりした気持ちになりつつ、そのすぐ隣にある「墨俣神社」に立ち寄りました。

旅の安全と、今回の訪問が良きものとなるよう願いを込めて、参拝。

神社を抜けた先には、和モダンな佇まいの「すのまた宿 池田屋脇本陣」が見えてきます。

こちらは、宿泊だけでなくカフェとしても利用できる場所。

今回は外観だけの見学となりましたが、次回はぜひとも立ち寄って、お茶でもしながらのんびり過ごしたいと思いました。

そして、そのすぐ近くから始まるのが「すのまた あじさい街道」。

長良川沿いに続くこの小径は、あじさいの季節になると一面が色とりどりの花で埋め尽くされるそうです。

私が訪れたこの日は、ちょうど墨俣の桜祭りの開催日。

まだ桜の開花はわずかでしたが、屋台が立ち並び、観光客でにぎわう雰囲気はお祭りムード満点でした。

太閤出世橋を越えて、いよいよ墨俣一夜城へ!

さらに北へ進むと、ついに姿を現したのが――「墨俣一夜城」!

おお……! これが一夜で築かれたというお城……!?
と思わず突っ込みたくなるような立派な天守閣。

もちろん、現在の城は伝説を元に再建されたもの。

平成3年(1991年)に、当時の砦跡地に建てられた歴史資料館としての姿です。正直、一夜で築けるレベルじゃないですね(笑)。

お城の手前には「犀川(さいかわ)」という美しい清流が流れています。

その川にかかる「太閤出世橋」は、まさにこの地の象徴ともいえる橋。歴史と伝説の境界線を越えるような気持ちでこの橋を渡ると、「墨俣一夜城公園」内に入ることができます。

橋の上から見上げるお城の姿はどこかで見たような……と思ったら、清洲城の再建天守を思わせるアングル。

どちらも歴史を忠実に再現するというより、「歴史を体験できる場」として設計されているため、似たような雰囲気があるのかもしれません。

公園内は整備されていて、広場や川沿いの遊歩道もあり、散策するにはぴったりの環境です。

さて、ここまでが墨俣一夜城までの道のり。

地元の人々が大切にしている町並み、観光に来る人々の笑顔、そしてなにより、秀吉という一人の人物がこの地で成し遂げた偉業に思いを馳せる時間となりました。

次回の【後編】では、いよいよ墨俣一夜城の内部へ潜入。

資料館としての展示内容や、秀吉の出世物語を紐解く展示、そして天守からの絶景まで、たっぷりとご紹介します。

お楽しみに!

 

◆地図・アクセス

〒503-0102 岐阜県大垣市墨俣町墨俣1742−1

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