約15年ぶりの日間賀島へ(後半) 島の素顔に触れる、海岸線の道(愛知県 南知多町の旅:2025-11-22)

 

日間賀島(愛知県知多郡南知多町)

西港から北側を巡り、島の輪郭をなぞるように歩いてきた足は、ここから島の北東部海岸へと向かう。

地図で見るとあまり目立たないエリアだが、実際に歩いてみると、この場所こそ日間賀島の「素の表情」にもっとも近いのではないかと思えてくる。

観光パンフレットに載るような派手な写真は少ない。
けれど、だからこそ、風景は静かで、誇張がなく、島の呼吸がそのまま伝わってくる。

北東部海岸を南へ

海・空・景色がひとつになる遊歩道

北東部海岸沿いには、海に沿って遊歩道が延びている。
防波堤の役割も兼ねているのだろうか、歩道は道路よりも少し高く設けられており、視線を遮るものがない。

視界の下には海。
正面には空。
そして、その境目が曖昧になるような、広がりのある景色。

このあたりから、遠くに佐久島の姿がはっきりと見えはじめる。
水平線の向こうに浮かぶ島影が加わることで、景色にぐっと奥行きが生まれ、歩いているこちらの気持ちも自然と引き込まれていく。

潮の香り、風の音、足元に伝わる微かな振動。
歩いているだけなのに、五感が少しずつ研ぎ澄まされていくのを感じる。

岩場が連なる、自然のままの海岸

遊歩道の途中には、海岸へ降りられる場所も点在している。
この一帯の海岸は、いわゆる砂浜ではなく、岩場が中心。

長い時間、波に削られてきた岩は、人工的な整形とは無縁で、
角ばったもの、丸みを帯びたもの、複雑な凹凸を残したものと、形はさまざまだ。

打ち寄せる波の音も、砂浜とは少し違う。
岩に当たって砕ける水音が、低く、重く、しかし心地よく響く。

初めて足を踏み入れたエリアだったが、観光客の姿はまばら。
人の気配が少ない分、島の自然がより近くに感じられた。

歩くたびに、「ここまで来てよかった」と思わせてくれる場所だった。

そこからさらに南へ歩くと、視界が開け、
やがてサンライズビーチへと辿り着く。

サンライズビーチ

冬にこそ歩きたい、島の砂浜

サンライズビーチは、日間賀島の東側、東港近くに広がる砂浜。
名前の通り、朝日が正面から昇ることで知られており、島の中でもっとも「海水浴場らしい」場所といえる。

夏場は多くの人でにぎわうこのビーチも、11月下旬ともなると空気がまったく違う。
暑さはなく、風は穏やか。
空気が澄み、海と空の境界がくっきりと浮かび上がる。

砂浜には、写真撮影用のオブジェとして設置された「ドア」があり、
海に向かってぽつんと立っている。

夏とは違い、静かで、心地よい冬のビーチ。
歩いているだけで、気持ちが整っていくような感覚があった。

東港へ到着

島のもうひとつの玄関口

ビーチを後にして少し歩くと、東港に到着。
ここで、東港のシンボルである「たこさん(がっしー)」にも挨拶をする。

日間賀島唯一の信号機があるのも、この東港周辺。
島に来たら、つい確認したくなるポイントだ。

西港と比べると規模はやや小さいものの、
東港周辺にも飲食店やおみやげ屋さんが並び、思っていた以上ににぎわいがある。

訪れるたびに、少しずつお店が増えている印象もあり、
島の変化を感じられる場所でもある。

次に来たときは、
「たいかいろう 東店」で食事をしてみるのも良さそうだ。

島一周、終盤へ

もっとも好きな海岸沿いの道

東港まで来ると、島一周の旅も終盤。
ここからは、東港と西港を結ぶ南西部の海岸沿いを歩く。

この道は、日間賀島の中でも、特に好きな場所だ。

港の喧騒を背に、海岸線に沿って延びる遊歩道へ足を踏み入れると、
島の時間の流れが、ふっと緩やかになる。

舗装された細い道のすぐ脇には伊勢湾の海。
視界を遮るものはほとんどなく、歩くたびに海の表情が少しずつ変わっていく。

昼間、この道を歩く最大の魅力は、逆光にきらめく海面だ。
太陽の光を受けて、水面が無数の銀色の粒となり、ゆらゆらと揺れる。

その輝きは強すぎず、どこかやさしい。
自然と足取りまで軽くなっていく。

島から島を見るという体験

ふと沖合に目を向けると、篠島の姿が見えてくる。
近すぎず、遠すぎず、水平線に浮かぶその島影が、旅情を静かに深めてくれる。

同じ知多の海に浮かぶ島を、別の島から眺める。
それは、「島から島を見る」という、少し特別な体験でもある。

行き交う漁船や定期船が、海の上をゆっくりと横切っていく。
エンジン音、引き波、船が残していく白い航跡。

どれもが、この海が今も動き続けていることを、さりげなく教えてくれる。

派手さはない。
けれど、

・歩く
・眺める
・立ち止まる

そのすべてが自然につながる道。

目的地へ急ぐための道ではなく、
歩くことそのものが旅になる道。

この区間こそ、日間賀島の海を、もっとも素直に味わえる場所だと思う。

再び、西港へ

一周の終わりに

やがて景色が変わり、遠くに師崎港の姿が見えはじめる。
たこ駐在所が現れたら、西港はもうすぐだ。

西港に戻り、時計を見ると、島一周にかかった時間はおよそ1時間15分。
想像以上に歩きごたえがあり、そして満足感の高い散策だった。

島の内部には高低差があるものの、
周囲を巡るルートは起伏が少なく、全体としてとても歩きやすい。

日間賀島を訪れたことがある人にも、
これから初めて訪れる人にも、
一周散策はぜひ体験してほしい。

歩くことでしか見えてこない景色が、確かにそこにある。

地図

〒470-3504 愛知県知多郡南知多町日間賀島小戸地

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