近江八幡散策の締めくくり:石畳の小路と旧西川家住宅を巡る旅 ( 滋賀県近江八幡市の旅 : 2025-03-15 )

 

旧西川家住宅(西川利右衛門) / 八幡堀「石畳の小路」(滋賀県近江八幡市)

春の陽気が心地よい一日、滋賀県近江八幡市を訪れました。

城下町の風情と水郷の景観が魅力のこの町を歩いてきましたが、旅の終盤には、八幡堀沿いに広がる「石畳の小路」と、近江商人の歴史を今に伝える「旧西川家住宅(西川利右衛門)」を訪ねました。

 

八幡堀「石畳の小路」:趣とにぎわいが同居する通り

立ち寄り先として選んだのが、八幡堀のほとりにある「石畳の小路」。

ここは、古民家を活かして作られた複合施設で、歴史ある町並みの中に新たな命が吹き込まれたような場所です。

石畳が続く道の両側には、滋賀の名産を扱う店舗が軒を連ねており、歩くだけでも目が楽しく、まさに旅情をかき立ててくれます。

中でも印象的だったのは、あゆの佃煮や近江牛を扱うグルメショップ。私の好みにぴったりで、思わず立ち止まってじっと見つめてしまいました。

我慢するのが辛かったくらい魅力的な品揃えでした。

他にも、藍染や木珠、一閑張(いっかんばり)など、滋賀の伝統工芸を扱う店が並んでおり、地域の文化が息づいていることを肌で感じられます。

 

旧西川家住宅(西川利右衛門):近江商人の誇りを感じる空間

石畳の小路を堪能したあとは、近江商人の町並みを抜け、歴史の重みを今に伝える「旧西川家住宅(西川利右衛門)」を訪れました。

西川利右衛門(古文書によっては「理右衛門」とも)は、近江商人の代表格。初代から昭和5年に11代が没するまで、実に約300年にわたって家業を守り続けました。屋号は「大文字屋」。蚊帳(かや)や畳表の取引で財を成し、近江を代表する豪商としての地位を築いた人物です。

現在の旧西川家住宅は、昭和58年に重要文化財に指定された後、昭和60年から保存修理が進められ、主屋は宝永3年(1706年)の建築当初の姿に復元されています。また、敷地内にある3階建ての土蔵は、天和年間(1681~1683年)の建築とされており、全国的にも非常に珍しいものだそうです。

施設内は撮影禁止だったため写真はありませんが、展示されている商売道具や生活用品はどれも貴重なもので、江戸から明治にかけての暮らしを垣間見ることができました。特に重厚な梁や柱、整然とした空間には、質実剛健な商人精神と、美意識の高さが感じられ、時間を忘れて見入ってしまいました。

 

徒歩での帰路と、また来たい町

旧西川家住宅を後にし、近江八幡駅へ戻ろうとしたところ、この日は町内でお祭りがあった影響で、バスの運行がよくわからず、結局徒歩で駅まで帰ることに。地図アプリを片手に30分ほど歩きましたが、さすがに一日の終わりには堪えました。足はパンパン。それでも、古い町並みを眺めながらの帰路は、それなりに楽しいものでした。旅の締めくくりにふさわしい、ちょっとした運動にもなりました。

今回の旅では、行きたいと思っていた場所のすべてを回ることはできませんでした。八幡山ロープウェーや日牟禮八幡宮、近江八幡市立資料館(郷土資料館・歴史民俗資料館)など、まだまだ気になるスポットがたくさん残っています。

だからこそ、この町にはまた必ず訪れたい。石畳の道をもう一度歩き、近江商人の気風に触れ、今度こそ佃煮や近江牛を味わい尽くしたいと思います。

近江八幡、ありがとう。また来る日まで。

戦利品:大好きな赤こんにゃく!

 

地図

〒523-0871 滋賀県近江八幡市新町2丁目19

Follow me!