近江神宮:ちはやふるが導いた、競技かるたの聖地へ ( 滋賀県大津市の旅 : 2025-11-01 )

近江神宮・近江勧学館(滋賀県大津市)

浜大津での時間を終え、次に向かうのは今回の旅の中でも、個人的に特別な意味を持つ場所、近江神宮です。

京阪電車 京津線・石山坂本線の「びわ湖浜大津駅」から電車に揺られること約6分。あっという間に「近江神宮前駅」に到着しました。驚いたのは、その駅の佇まい。ホームと道路がすぐ隣り合い、まるで街の一部として溶け込んでいるような、地域のローカル線らしい造りです。

こういう駅、たまらなく好きなんですよね。旅先でしか出会えない、さりげない個性。派手さはなくとも、暮らしの中に根付いた鉄道の姿に、思わず頬が緩みます。

ここから、いよいよ近江神宮へと向かいます。

ちはやふるが結んでくれたご縁

今回、近江神宮を旅の目的地に選んだ最大の理由。それは、間違いなく『ちはやふる』です。

中でも強く印象に残っているのが、映画『ちはやふる ―結び―』。公開当時、実は二度観ています。広瀬すずさんをはじめとする前作からのキャストの皆さんは本当に魅力的で、誰一人として欠けては成り立たない世界観でした。

そして個人的に忘れられないのが、松岡茉優さんの存在です。あの独特なキャラクターと存在感。競技かるたという静と動が交錯する世界の中で、鮮やかに記憶に残る演技でした。はなやかな衣装、畳の上で繰り広げられる一瞬の勝負、百人一首という日本文化。そのすべてに心を掴まれ、「一度でいいから近江神宮に行ってみたい」と、ずっと思い続けてきました。

けれど、不思議なもので、行きたいと思っている場所ほど、なかなか縁が巡ってこないものです。今回の大津旅で、ようやくそのタイミングが訪れました。

一の鳥居から始まる、神聖な世界

近江神宮前駅から、近江神宮の一の鳥居までは徒歩でおよそ10分ほど。住宅街を抜け、少しずつ木々が増えてくると、空気が変わったように感じられます。

一の鳥居をくぐった瞬間、視界が一気に開け、神聖な世界観が広がりました。背筋が自然と伸び、気持ちが内側へと向かっていく感覚。ここから先は、日常とは異なる時間が流れている、そんな気がしてきます。ワクワクが止まりません。

近江神宮について

近江神宮は、滋賀県大津市に鎮座する神社で、第38代天智天皇を御祭神として祀っています。天智天皇は、日本で初めて本格的な時計である漏刻(水時計)を用いて時を知らせたとされる人物で、その功績から近江神宮は「時の神様」として知られています。昭和15年、天智天皇が都を置いた近江大津宮の跡地近くに創建され、朱塗りの社殿や広々とした境内が特徴です。また、百人一首の第一首「秋の田の…」が天智天皇の歌であることから、競技かるたとの深い縁を持ち、全国のかるた愛好家にとって特別な場所となっています。

楼門、そして拝殿へ

二の鳥居を抜け、北へと進むと、左手に姿を現すのが楼門です。階段越しに見上げる楼門と、その背後に広がる新緑。まるで一枚の絵のような光景で、思わず足を止めて見入ってしまいました。

確か『ちはやふる』の中でも、とても印象的な場面として描かれていた場所ですよね。映画で観た風景と、今目の前に広がる現実の景色が重なり合い、胸が少し熱くなりました。

拝殿にて、静かに参拝。木造の建物は落ち着いた佇まいで、長い年月を経てきた重みと温もりを感じさせます。観光地としての賑わいはありつつも、境内にはきちんとした静けさが保たれており、心がすっと整っていくようでした。

宝物館、そして競技かるたの聖地へ

参拝後は宝物館を見学し、続いて向かったのが近江勧学館です。

近江勧学館について

近江勧学館は、近江神宮の境内にある施設で、競技かるたと百人一首の普及・振興を目的として設けられました。毎年1月には名人位・クイーン位決定戦が行われ、日本一を目指す競技者たちが集う、まさに競技かるたの聖地です。館内では大会の様子が再現展示されており、競技かるたの歴史や魅力を学ぶことができます。

実際に中へ入ってみると、神社の関連施設というよりも、競技かるたと百人一首の世界が前面に広がっていました。入口付近には、かるた関連グッズや百人一首のお土産がずらりと並び、すでに気持ちは高揚気味です。

さらに、映画『ちはやふる』の撮影地ということもあり、キャストのサインやポスターが所狭しと展示されていました。神社の境内にあるコミュニティ施設で、これほど賑やかで熱量のある空間は、なかなか珍しいのではないでしょうか。

広瀬すずさん、そして松岡茉優さんのサインを実際に目にすることができ、感無量。思わず、また映画を観返したくなってしまいました。ポスターを眺めていると、今も別のキャストで『ちはやふる』の映画が続いていることに気づき、これはぜひチェックしなければ、と心にメモ。

琵琶湖西岸への小さな予告編

帰りは、JR大津京駅まで徒歩で移動することにしました。20分以上かかる道のりでしたが、境内の余韻に浸りながら歩く時間も、旅の一部です。

JR大津京駅からは湖西線に乗車。山科駅を経由して京都駅までは、わずか2駅、約10分という近さに改めて驚かされました。

今回、初めて湖西線に乗りましたが、車窓から感じる琵琶湖西側の雰囲気は、まだ知らない魅力に満ちているように思えました。次回は、このあたりをじっくり旅してみたいですね。

滋賀県、魅力が多すぎます。また必ず来ます。

地図

〒520-0015 滋賀県大津市神宮町1−1

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