魅力がぎゅっと詰まった都会の水族館:京都水族館を訪ねて ( 京都府京都市の旅 : 2025-05-10 )
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京都水族館(京都府京都市)
前回のブログでは、梅小路公園の緑豊かな風景と、その中にある思わぬ魅力的なスポットを紹介しましたが、今回の目的地はその公園内にある「京都水族館」。
京都駅から徒歩圏内というアクセスの良さもあり、開館当初から気になっていた施設のひとつです。
これまでに、名古屋港水族館や鳥羽水族館など、比較的大規模な水族館を訪れてきましたが、それらと比べると京都水族館はこぢんまりとした印象。しかし実際に足を踏み入れてみると、その「ちょうどよさ」がむしろ快適で、個人的には非常に満足度の高いひとときとなりました。
ストレスフリーな館内設計に感心
まず何よりも印象的だったのは、館内の動線のわかりやすさと歩きやすさです。
京都水族館は館内中央付近に出入り口があり、東側・西側へそれぞれ展示エリアが広がっていて、一周すると自然と出発地点に戻ってくる構造。無駄に引き返したり、同じ場所を行ったり来たりする必要がないため、展示に集中できるのがうれしいポイントです。
館内の通路も広めで混雑しにくく、所々にベンチが設置されているため、歩き疲れたときに少し腰を下ろすこともできました。
広大ではないけれど、広さを感じさせる空間設計。展示の密度もほどよく、息が詰まるような圧迫感もなし。小さなお子さん連れにも、私のような大人世代にも配慮された、バランスの取れた施設だと感じました。
幻想的なクラゲの世界「クラゲワンダー」
京都水族館の中でも、もっとも強く心を奪われた展示が「クラゲワンダー」。
西日本最多となる約30種・5,000匹ものクラゲが展示されており、館内でも随一の幻想的な空間です。とくに中央の円形水槽「GURURI」は360°からクラゲを眺められる造りで、どの角度から見ても美しい光景が広がります。
緩やかに漂うクラゲたちは、見ているだけで呼吸が深くなるような、そんな癒しを与えてくれます。
照明も繊細に調整されていて、青や紫といった幻想的なライティングがクラゲの透明な体に映え、まるで海の中にいるかのような気分にさせてくれました。
また、クラゲは動きがゆっくりなので、暗い空間でも比較的写真が撮りやすく、スマートフォンでもブレずにきれいに撮影できました。SNS映えも抜群。写真を撮る人、ただじっと眺める人、みんながそれぞれの楽しみ方で過ごしているのが印象的でした。
学びと体験がひとつに「イルカのがっこう」
次に向かったのは「イルカのがっこう」。
ここでは、一般的なイルカショーではなく、「授業」という形でイルカたちの様子を見せてくれるユニークなプログラムが展開されています。
授業は日替わりで、以下のようなテーマが設けられています。
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体育の時間:イルカの運動能力やジャンプを体感
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給食の時間:餌の与え方や食習慣の観察
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国語の時間:イルカとのコミュニケーションの取り方
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音楽の時間:音を使ったイルカとの対話の試み
私が見学したのは「体育の時間」。
ジャンプやスピンを中心としたプログラムで、水しぶきをあげながら高く飛び上がるイルカたちの姿は圧巻でした。単なる演目ではなく、「なぜこの動きをするのか」「どんな練習をしているのか」といった解説が加わることで、見ているこちらも自然と知識が深まっていきます。
観客席には、海外からの観光客や小さな子ども連れの家族も多く、特に子どもたちの目がイルカのジャンプにくぎ付けになっている様子が印象的でした。「見せる」だけではなく「一緒に学ぶ」というコンセプトがしっかり伝わる内容で、大人も楽しみながら学べる貴重な時間になりました。
ペンギンからオオサンショウウオまで、個性豊かな展示
イルカ以外にも見応えのある展示が多数。なかでもお気に入りだったのが、ペンギンエリアです。
ここではガラス越しに、わずか10センチほどの距離でペンギンを観察することができ、タイミングが良ければ目の前までトコトコと歩いてきてくれることも。陸上のよちよち歩きもかわいいですが、すぐ横の水槽で見られる水中を泳ぐ姿はスピード感があり、また違った魅力がありました。
そして、京都水族館ならではの要素として外せないのが、「京の里山ゾーン」。
屋外に設けられたこのエリアでは、京都の自然環境を再現し、生き物が実際に暮らしています。京都という土地柄を反映した展示は、都市型水族館には珍しく、地域性を感じられる貴重なエリアでした。
また、日本固有種で天然記念物にも指定されている「オオサンショウウオ」もここならではの展示です。
思わず「こんなに大きいのか…」と驚いてしまうほどのサイズ感で、岩陰にじっとしている姿には、妙な存在感とユーモアがありました。
他にもアザラシたちの泳ぐ姿も癒されましたね。挙げればいくらでも楽しい思い出が蘇ってきそうです。
おわりに
こうして一通り館内を巡り終えると、時間的にはさほど長くなかったにもかかわらず、しっかりと満足感を得られたことに気づきました。
他の大規模水族館と違い、あまり歩き疲れずに済んだのも好印象。見せ方やテーマの構成、館内導線の工夫など、小さな気配りが随所に感じられ、大人でもしっかり楽しめる空間だと実感しました。
ミュージアムショップでは気になるクラゲやペンギンのグッズもありましたが、今回は購入せず。でも、また次に訪れた際には、思い出に何か一つ買って帰ってもいいかな、なんて思いながら水族館を後にしました。
京都駅からも徒歩圏内で、アクセスも抜群。観光の合間にふらりと立ち寄るのにもぴったりの京都水族館。
静かに癒やされ、ちょっと学びも得られる。そんな素敵なひとときとなりました。再訪が楽しみな場所のひとつです。
住所 / 地図
〒600-8835 京都府京都市下京区観喜寺町35−1 内 梅小路公園