涼を求めて再訪した竜吟峡 〜七つの滝に会いに行く旅〜 (岐阜県瑞浪市の旅:2025-05-01)

 

竜吟峡(岐阜県瑞浪市)

釜戸駅から再び竜吟峡へ

瑞浪市の自然が生み出した渓谷「竜吟峡」。今回で2度目の訪問となります。前回訪れたのは2023年8月5日。

竜吟峡:JR釜戸駅から歩いて滝へ涼みに(岐阜県瑞浪市の旅:2023-08-05)

JR釜戸駅から歩いて向かいましたが、真夏の暑さのなか、一の滝を見たところで力尽きてしまいました。

今回は5月。まだ汗ばむほどではない涼やかな季節のうちにリベンジを果たそうと、再び釜戸駅に降り立ちました。

駅で降りたのは私を含めて3組。皆さんの足取りはどうやら竜吟峡方面へ向かっているようです。地元の方か、私のように滝を目指して来られた方でしょうか。駅から竜吟峡までは徒歩で20分ほど。軽い散策気分で歩くにはちょうど良い距離です。

途中に見える「竜吟岩」は、クライミングが楽しめる名所。

私は見るだけで充分です。ごつごつとした大きな岩壁に挑む度胸もありません(^^;;

目的の滝巡りへと足を進めます。

一の滝から二の滝へ

前回はここで折り返した「一の滝」は、滝めぐりのスタート地点。

勢いよく水が流れ落ちる様は見応えがあり、滝の正面に立つと自然の迫力を体いっぱいに感じられます。

今回はここから先へ、滝めぐりを進めます。

岩の階段がしっかり整備された道を登っていくと、「二の滝」に到着。

こじんまりとした姿ながら、かつては滝壺が広く、地元の子どもたちが水遊びを楽しんでいたそうです。静かで隠れ家的な雰囲気があり、個人的には一番落ち着ける場所でした。

三の滝からあんま滝へ

赤い鉄橋を渡って向かう「三の滝」への道は、ここからぐっとハイキング感が増してきます。

整備された階段から一転、土の道や苔に覆われた岩場が増えてきます。気を抜くと足を取られそうなので慎重に進みます。

しばらくすると「えびす滝」が姿を現します。

名前の由来は昭和初期、人々の安寧を願って名づけられたとのこと。苔むした岩の隙間から優しく流れ落ちる水がなんとも神秘的で、まるで恵比寿様がこの地を守っているかのようでした。

その先に現れるのが「あんま滝」。

複数の小さな滝が段々に連なり、まるで人の肩を優しく揉みほぐしてくれるような穏やかな流れです。

その様子から「あんま(按摩)滝」と名づけられたとのこと。見た目にも癒される滝で、疲れた心と体をそっと労ってくれるようでした。

昇竜の滝、そして最奥・梵天の滝へ

「あんま滝」を越えると、勾配はさらに急に。岩の階段をよじ登るような道が続きます。

登山気分が増してきますが、途中に設けられた木の手すりがありがたい存在。柵の向こうには不動川が流れ、うっかり足を滑らせたら…と考えると、より一層気が引き締まります。

急な坂道の先にあるのが「昇竜の滝」。

岩の間を縫うように登っていく水の流れは、まさに天へと昇る龍のようであると名付けられた「昇竜の滝」。

ただ、新緑が生い茂っていたためか、あまりその姿をしっかりと確認することはできませんでした。

そして、いよいよ本日の最終目的地「梵天の滝」へ。さらに急坂を登った先、木々に囲まれた静寂のなかにその滝はありました。

竜が天に昇り、時折人々のもとへ降り立って幸福を祈るという伝承を持つこの滝は、「昇竜の滝」の物語を継ぐようにして存在しています。滝そのものはさほど大きくはありませんが、ここに辿り着くまでの道のりと、静かな環境が相まって、なんとも荘厳な空気を感じさせてくれます。

ベンチでお弁当を広げる方の姿も。この場所を終着点にして訪れる人が多いようです。

私は駆け足で登ったため、すべての滝を巡るのに20分ほどでしたが、一つひとつじっくりと滝を味わいながら歩くのも良いものです。

滝を追いかけて標高が上がるにつれ、体感気温は下がっていきます。木々が視界を遮り、風が冷たく感じられることも。体温調整がしやすい服装と、滑りにくい靴、水分補給は必須です。特に前日が雨だった日や、夕方近くは足場が濡れて危険な箇所も多いので無理は禁物です。

竜吟峡は、ただのハイキングコースではなく、自然と伝承が織りなす静かな物語が息づく場所でした。滝それぞれに名前と意味があり、そこに込められた思いを感じながら歩くことで、旅の深みもぐっと増します。

また季節を変えて訪れたい場所のひとつです。涼を求める初夏、紅葉が映える秋、きっとまた違った竜吟峡がそこに待っているんだろうなぁ。

 

PS.帰り道、前回訪れた帰りに立ち寄ったコンビニを見てみたところ…なんと閉店していました。

 

◆地図・アクセス

(瑞浪市自然ふれあい館)〒509-6472 岐阜県瑞浪市釜戸町1069−307

「竜吟の滝(一の滝)」JR釜戸駅から徒歩20〜30分ほど

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