風車公園 ― 約一年ぶりの浜松、旅のはじまりは駅前から ― ( 静岡県浜松市の旅 : 2025-09-28 )

 

風車公園・遠州灘海浜公園(静岡県浜松市)

2025年9月28日。

約一年ぶりに、静岡県浜松市を訪れました。
旅のスタート地点は、いつも通り浜松駅。改札を抜けると、週末らしいにぎわいと行き交う人の多さに、地方都市でありながらも拠点駅らしい活気を感じます。

今回の目的地は、鳥取砂丘・九十九里浜と並び「日本三大砂丘」の一つに数えられる中田島砂丘
浜松駅から遠鉄バスでアクセスできる名所ですが、せっかくなので砂丘だけを目指すのではなく、周辺を歩きながら少しずつ海へ近づいていくルートを選びました。

本来であれば、浜松駅バスターミナル4番乗り場から「中田島車庫」行きに乗るところですが、今回は5番「南行政センター」行きのバスに乗車。
南行政センター周辺から、風車公園、遠州灘海浜公園を巡り、最後に中田島砂丘へ向かう、少し遠回りの散策旅です。

南行政センターから、静かな川沿いの道へ

浜松駅からおよそ18分。
バスは終点「南行政センター」に到着しました。


駅前のにぎわいが嘘のように、ここから先は落ち着いた住宅地と広がる空。バスを降りると、旅のスイッチがふっと切り替わるのを感じます。

南へ歩き出すと、ほどなく馬込川が現れます。
川に沿って続く道は静かで、車の音も控えめ。川面に映る空と、ところどころに揺れる緑が心を和ませてくれます。
浜松駅からほんの少し離れただけで、こうした穏やかな散策路に出会えるのは、なかなかうれしいものです。

しばらく川沿いを進み、橋を渡って西へ。
次の目的地、風車公園の展望台を目指します。

風車公園の展望台、期待と現実

風車公園に到着。近くには展望台があるようです。

展望台と聞けば、きっと開けた眺望が待っているはず。

そんな期待を胸に展望台へ向かいましたが、実際に登ってみると、目の前に広がるのは生い茂る木々。
視界の多くを森が占め、想像していたような大パノラマとは少し違った印象でした。

とはいえ、これはこれで悪くありません。
木々に囲まれた展望台は、外界から切り離されたような静けさがあり、深呼吸したくなる場所でもありました。
展望台の役割は景色を眺めることだけではない、そんなことを思わせてくれます。

野鳥の森を抜けて、広い芝生広場へ

展望台を後にし、公園内を進むと「野鳥の森」と呼ばれるエリアに入ります。


木陰が続き、足元にはやわらかな土の感触。都市部の公園とは異なる、自然に近い雰囲気が漂っています。

森を抜けると、一気に視界が開け、広大な芝生広場が現れました。

ここで、思わず足を止める光景に出会います。

あちこちで、凧揚げを楽しむ人たちの姿。
青空を背景に、色とりどりの凧が風を受けて舞い上がっています。

凧揚げといえば、どうしてもお正月のイメージが強い私。
「なぜ9月に?」と不思議に思いながらも、その光景はどこか浜松らしいのかもしれない、と直感的に感じました。

この疑問の答えは、後ほど訪れる「浜松まつり会館」で明らかになることになります。

津波避難マウンドに登ってみる

芝生広場の隣には、「遠州灘海浜公園 津波避難マウンド」と呼ばれる高台があります。
せっかくなので、登ってみることにしました。

この避難マウンドは、平成24年度(2012年度)に「遠州灘海浜公園津波避難マウンド築造工事」として整備が始まり、平成26年3月頃に工事が完了した施設です。
標高は約13.2メートル(現状地盤から約10.5メートル)。
盛土によって造成され、約1,000人が避難可能な構造とされています。

実際に登ってみると、思っていた以上の高さ。
公園全体を見下ろすことができ、遠州灘方面へと視線を伸ばすと、海がすぐそこにあることを実感します。

普段は穏やかな公園の一部として存在していますが、いざという時には多くの命を守る場所になる。
その役割を思うと、静かに佇むこの高台が、とても頼もしく見えてきました。

風車公園と遠州灘海浜公園、その関係

園内を歩いていると、「風車公園」と「遠州灘海浜公園」という二つの名前が使われていることに気づきます。
同じ場所を指しているようにも見えるこの二つの名称、どう違うのか気になって調べてみました。

結論から言うと、

  • 遠州灘海浜公園:公園全体の正式名称

  • 風車公園:遠州灘海浜公園の中にある一つのエリア(通称)

という関係だそうです。

遠州灘海浜公園は、遠州灘沿いに広く展開する県立の大規模海浜公園。
そのため、場所をわかりやすくする目的でエリアごとに名前が付けられ、その一つが「風車公園」と呼ばれているとのことでした。

こうした背景を知ると、ただ歩いているだけの公園が、ぐっと立体的に見えてきます。
旅先での小さな発見は、いつも楽しいものですね。

砂丘へ向かう前に、次なる目的地へ

風車公園内には、すもう場や風車といった、少し珍しいスポットも点在しており、全体をゆっくり巡れば半日ほどかかりそうな充実ぶりでした。

そして、このあとはいよいよ浜松の文化を深く知る場所、浜松まつり会館へ。
芝生広場で目にした凧揚げの光景、その理由と背景が、ここで明らかになります。

浜松まつり会館の見学、そしてその後に訪れる中田島砂丘については、次のブログで詳しく書いていくことにします。
どうぞ、お楽しみに。

地図・アクセス

〒430-0845 静岡県浜松市中央区中田島町

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