蕎麦切り 山人 -SANTO- ― 冬の鶴舞公園で出会った、静かな一杯 ―(名古屋市昭和区の旅:2025-12-27)
蕎麦切り 山人 -SANTO -(名古屋市昭和区)
2025年12月27日。
年末らしい冷たい空気に包まれた名古屋で、千種区から昭和区にかけて、のんびりと街を歩く一日となりました。
まず立ち寄ったのは、飲食店が大幅にリニューアルした「イオンタウン千種」。
以前とはずいぶん雰囲気が変わり、普段使いしやすそうな店が増えた印象で、あれこれと見て回るだけでも楽しい時間です。
ひと通り見学を終えたころには、ちょうどお昼時。
向かった先は、歩いて行くにも心地よい鶴舞公園。
広々とした園内は散歩に最適で、これまでも何度となく訪れていますが、実は飲食店も充実していて、食事目的で足を運ぶことも少なくありません。
今回は、公園内のお店の中でも、まだ訪れたことのなかった一軒を選びました。
鶴舞公園の中に佇む、落ち着いた蕎麦処
今回訪れたのは、
「蕎麦切り 山人 -SANTO-」。
寒い時期になると、自然と温かいお蕎麦が食べたくなります。
公園の中で、静かに、ゆっくりと食事ができそうなお店という印象もあり、以前から気になっていた存在でした。
店内に入ると、木目調を基調とした落ち着いた空間が広がります。

派手さはなく、どこか安心感のある雰囲気。
大きな窓からは鶴舞公園の景色が望め、冬の日差しの中でも、瑞々しさを感じさせる緑が目に入ります。
公園の中にいることを意識しながらも、外の喧騒はきちんと遮られ、穏やかな時間が流れていました。
席に腰を下ろしただけで、自然と気持ちが緩みます。
冬限定「飛騨ジャンボなめこと おかひじきの蕎麦」
この日いただいたのは、
冬限定「飛騨ジャンボなめこと おかひじきの蕎麦」(1,300円)。
きのこ類が大好物な私にとって、「飛騨ジャンボなめこ」という言葉は、ほぼ即決の理由。
迷わず注文しましたが、ひとつだけ気になったのが「おかひじき」という存在です。
正直なところ、おかひじきという名前も、この日まで知りませんでした。
ひじきと聞くと海藻を思い浮かべてしまい、深く考えずに注文してしまった、というのが本音です。
そして、運ばれてきたお蕎麦を見て、すぐに気づきました。
――あれ、ひじきじゃない。
器の中には、大ぶりで存在感のある飛騨ジャンボなめこ、そして鮮やかな緑色の野菜が添えられています。
知らなかった食材との出会いがくれた満足感
後から調べてみると、おかひじきは海藻ではなく、海岸に自生するアカザ科の野草。
見た目がひじきに似ていることから「陸ひじき(おかひじき)」と呼ばれるようになった、れっきとした緑黄色野菜だそうです。
実際に食べてみると、シャキシャキとした食感が心地よく、想像以上に存在感があります。
濃い緑色の見た目も美しく、器全体を引き締めてくれていました。
飛騨ジャンボなめこは、ぬめりがありながらも重たさはなく、あっさりとした出汁とよくなじみます。
その出汁はやさしい味わいで、冷えた体にじんわりと染み渡るよう。
蕎麦はのどごしがなめらかで、具材と出汁をしっかりと受け止めながら、最後まで心地よく食べ進めることができました。
それぞれの素材が主張しすぎることなく調和し、静かな満足感を与えてくれる一杯。
気づけば、器の中はすっかり空になっていました。
食後に店を出ると、目の前には鶴舞公園の穏やかな風景。
散歩を楽しむ人たちを眺めながら、心も体もほどよく温まったことを実感します。
まだまだ、鶴舞公園には訪れていないお店がたくさんありますが、
「蕎麦切り 山人 -SANTO-」は、季節が変わったらまた足を運びたいと思える一軒でした。
地図
〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目1−21 公園内 ツルマガーデン area2





