柳ヶ瀬商店街を訪ねて ( 岐阜県岐阜市の旅 : 2025-02-24 )

 

柳ヶ瀬商店街を訪ねて

岐阜県にある柳ヶ瀬商店街を訪れました。
岐阜の中心市街地として知られるこの場所は、かつて華やかな栄華を誇った街ですが、今では「日本一のシャッター街」と呼ばれることも。

そう聞くと寂しさを感じてしまいますが、柳ヶ瀬には今でも独特の魅力が息づいています。
今回は、歴史の断片とともに、失われゆく道の今の姿を写真におさめたくて訪れました。

柳ヶ瀬のはじまりは、明治21年に作られた金津遊郭にあります。
岐阜が市としての形を成せたのは、この柳ヶ瀬の存在があってこそだと言っても過言ではありません。
最盛期には、劇場や映画館が12棟もあり、キャバレーは11店舗、バーはなんと300軒以上もあり、大いに賑わったといいます。

そんな柳ヶ瀬には、「柳ヶ瀬」と「西柳ヶ瀬」という二つのエリアがあります。
中でも西柳ヶ瀬は、柳ヶ瀬の中でも最も古い歴史をもつ地区で、かつては「近づいてはいけない」とさえ言われていた場所です。

それが今では、どこか物寂しい空気が漂いながらも、歴史の重みを感じさせるエリアとなっています。

アーケードがすべての通りを覆っているのも柳ヶ瀬の大きな特徴です。全国的に見ても、ここまで全域がアーケード化されている商店街は珍しいそうです。
かつては、線維問屋街として多くの人が行き交い、夜になるとその儲けを持って柳ヶ瀬で遊ぶ、というスタイルが定着していたといいます。

今となっては「柳ヶ瀬ブルース」という歌の存在が信じられないくらいの静けさが街を包んでいます。

バブル崩壊後、岐阜の線維産業が衰退すると、柳ヶ瀬の賑わいも徐々に失われていきました。
さらに、2012年の岐阜国体に合わせて性風俗店が一掃され、多くの店が閉店。スナックが並ぶ「柳ヶ瀬センター」も、今では営業しているのはたった1軒だけという現状です。

衝撃的だったのは、2024年に岐阜高島屋が閉店したというニュース。
かつて岐阜の中心だったこの場所に、今や大きな商業施設は一軒もありません。

高島屋の建物こそ残っているものの、今はその前にわずかな露店が並ぶ程度。
老朽化が進み、岐阜駅からも離れているこのエリアが、これからどう変わっていくのかは多くの人が注目しています。

今回、私が最も心惹かれたのが「ロイヤルビル」。
昭和の名作映画を今でも上映しているという、なんともレトロで味のあるビル。

2階には喫茶店があり、アーケード越しに商店街を見渡せるその落ち着いた雰囲気に、しばらく時間を忘れてしまいました。
3階には「岐阜駅前線維問屋街博物館」があり、戦後から現代にかけての線維産業の歴史を学ぶことができます。

ここは、当時の柳ヶ瀬の熱気を今に伝える、非常に貴重なスポットだと感じました。興味のある方は、ぜひ一度訪れてみてほしい場所です。

現在、柳ヶ瀬では大規模な再開発が予定されており、新しいまちづくりが進もうとしています。
それでも、この街の持つ独特の空気感や、時代の記憶は、簡単に塗り替えられるものではないでしょう。
柳ヶ瀬は、まだ生きている。静かに、でも確かに。
そしてこの街は、新しい形で息を吹き返す可能性を秘めていると、私は信じています。

今後の柳ヶ瀬に、ますます注目です。

帰りに、金神社で参拝。

 

◆地図・アクセス

〒500-8875 岐阜県岐阜市柳ケ瀬通2丁目24−24

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