犬山城下町・三光稲荷神社・針綱神社紀行|伝統と現代が交差する犬山の魅力を歩く(愛知県犬山市の旅 : 2026-01-23)

 

 

犬山城下町・三光稲荷神社・針綱神社

2026年1月23日。暦の上では大寒を過ぎ、冬の厳しさが際立つ季節。私は再び、愛知県犬山市の地に降り立ちました。今回の旅の大きな目的は、国宝・犬山城を訪れることです。実は2026年3月から、犬山城の大人入城料が現在の550円から1,000円へと大幅に改定されることが決まっています。料金アップを前に、かつての記憶を辿りつつ、約2年ぶりとなる再訪を果たすことにしました。

今回のブログは2回に分けてお届けします。前編となる今回は、旅の玄関口である犬山駅から、情緒溢れる城下町、そして城の麓に鎮座する三光稲荷神社と針綱神社の参拝までを詳しく綴っていきます。

犬山城を各務原市側から見てみた:前編 ( 愛知県犬山市 / 岐阜県各務原市の旅 : 2023-12-03 )

旅の起点、交通の要衝「犬山駅」

犬山観光のスタート地点は、名鉄犬山線の「犬山駅」です。ここは犬山線のみならず、広見線、小牧線が交差する交通の要衝。名古屋方面からのアクセスも非常にスムーズで、特急を利用すれば名古屋駅から約25分という利便性を誇ります。

ホームに降り立つと、列車の発着音とともに多くの観光客の活気が伝わってきます。駅舎は現代的で機能的な造りですが、どこか観光地の入口らしい温かみと落ち着きを感じさせるデザインです。改札を抜けるとすぐに観光案内所があり、ここで詳細な散策マップやパンフレットを手に入れるのが私の定番です。初めて訪れる方でも、この案内所さえあれば、迷うことなく街歩きをスタートできるでしょう。

犬山城まではここから徒歩で約20分。駅前から西へと続く道には、地元の人々に愛される飲食店や趣のある土産物店が点在しており、一歩一歩進むごとに観光気分がじわじわと高まっていきます。もちろんバスも運行していますが、町の空気感や些細な変化を楽しむなら、断然徒歩での移動をおすすめします。

江戸の面影と現代が交差する「犬山城下町」

駅から西へ5分ほど歩くと、右手に大きく広がる「城下町」のエリアが現れます。この日はみぞれ雪が降り頻るあいにくの天気で、強い風が通りを吹き抜けていました。平日ということも相まって、街ゆく人の姿はまばらでしたが、本来ここは週末ともなれば、歩くのも困難なほどの人出で賑わう場所です。静寂に包まれた城下町は、普段とは異なるどこか厳かで、凛とした表情を見せてくれました。

犬山城の南側に位置するこの城下町は、江戸時代の町割り(区画)がそのまま残されており、歴史的な町家風の建物が軒を連ねています。石畳の通りを歩いていると、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

前回の訪問は2023年12月3日でした。それから約2年。久しぶりに歩いて驚いたのは、新しい店舗がさらに増え、街全体がいっそう洗練されていたことです。犬山市の観光に対する熱意と、絶え間ないアップデートの姿勢には、訪れるたびに圧倒されます。

城下町の楽しみといえば、やはり「食べ歩き」です。通りのいたるところから、食欲をそそる香ばしい匂いが漂ってきます。定番の串団子や五平餅から、趣向を凝らした創作スイーツ、愛知名物の味噌カツ、さらには飛騨牛を使った贅沢な軽食まで、そのバリエーションは驚くほど豊かです。

また、歴史を重んじる文化施設も充実しています。町並みの中には、古い蔵を改装したギャラリーや、当時の暮らしを伝える資料館が公開されており、単なるグルメスポットに留まらない、文化的な奥行きを感じさせてくれます。路地を一本入れば、観光地の喧騒が嘘のように消え、地元の方々の静かな生活が息づく穏やかな風景に出会うことができます。

ここで一つ、写真好きな方へのアドバイスです。城下町の直線道路の向こうにそびえ立つ犬山城の姿は非常に絵になります。特に、望遠レンズを使って圧縮効果を狙うと、歴史的な町並みと天守閣が重なり合い、非常に趣のある一枚を収めることができます。美味しい食べ物の誘惑に負けそうになりますが、カメラを構える手も休めるわけにはいきません。

鮮やかな朱と願いが重なる「三光稲荷神社」

城下町を北に抜けると、道路を挟んで二つの大きな神社が視界に入ります。「三光稲荷神社」と「針綱神社」です。この二つの神社を巡る際、私は三光稲荷神社の境内を通って犬山城へ向かい、帰りに針綱神社を経由して城下町へ戻るルートを選んでいます。これが最も効率的で、城への期待感を高めるのに最適な順路だからです。

犬山城の麓、南口に位置する三光稲荷神社は、創建が江戸時代と伝わる由緒ある神社です。商売繁盛や家内安全に加え、最近では「縁結び」のパワースポットとして、若い世代やカップルから絶大な人気を集めています。

境内に一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、幾重にも重なる鮮やかな朱色の鳥居のトンネルです。この日は降る雪の白さが、鳥居の赤をいっそう鮮烈に引き立てていました。鳥居が連なる階段を上っていく時間は、日常から切り離され、神聖な場所へと誘われるような不思議な感覚を覚えます。

特に参拝者が足を止めるのが、摂社の「姫亀神社」です。ここは男女の良縁だけでなく、人間関係全般の縁を結ぶ神様として知られています。境内にはピンク色のハート型の絵馬が所狭しと奉納されており、その可愛らしく柔らかな雰囲気が、訪れる人の心を和ませてくれます。また、銭洗いの信仰も根付いており、境内の湧き水でお金を洗うと、何倍にもなって返ってくると言われています。私も自身の未来への投資と安定を願い、丁寧に清めさせていただきました。

静寂の中に歴史が宿る「針綱神社」

続いてご紹介するのは、三光稲荷神社の隣に位置する「針綱(はりつな)神社」です。こちらは犬山城の守護神として古くから崇敬を集めてきた、尾張五社の一つに数えられる名社です。

華やかでフォトジェニックな三光稲荷神社に対し、針綱神社はどこまでも質実剛健で、厳かな空気に包まれています。周囲を深い木々に囲まれた境内は、冬の澄んだ空気も相まって、背筋が伸びるような静寂が支配しています。木造の拝殿は重厚な造りで、長い年月を経てなお揺るぎない風格を漂わせていました。

この針綱神社を語る上で欠かせないのが、毎年4月に開催される「犬山祭」です。ユネスコ無形文化遺産にも登録されているこの祭りは、この神社の例祭であり、豪華絢爛な13輌の車山(やま)が城下町を練り歩く姿は圧巻の一言に尽きます。祭りの時期の熱狂を知っていると、この日の静まり返った境内には、力を蓄えているかのような独特のエネルギーを感じます。

針綱神社の魅力は、犬山城へと続く自然豊かな動線にもあります。歴史的なつながりを意識しながら境内を散策することで、単なる観光地の風景が、信仰と統治が結びついた深い物語として立ち上がってきます。四季折々の自然の変化も美しく、いつ訪れても新しい発見がある場所です。


城下町で歴史の風情を味わい、二つの神社で心をお清めしたところで、いよいよ本命の「国宝・犬山城」へと足を進めます。

今回のブログはここまで。次回の後編では、現存十二天守の一つである犬山城の内部の様子や、天守最上階から望む濃尾平野と木曽川の絶景、そして入城料改定前に感じた国宝の重みについて、じっくりとお伝えしたいと思います。

どうぞお楽しみに。


地図:三光稲荷神社

データ

  • 所在地:〒484-0082 愛知県犬山市犬山北古券65ー18

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