【九華公園】城跡の面影と春の華やぎが織りなす情景!新たな魅力に出会うさくらまつり散策 (三重県桑名市の旅 : 2026-04-05)

 

 

九華公園(三重県桑名市)

前回のブログ記事では、近鉄桑名駅から思い出の商店街を通り抜け、総鎮守である桑名宗社(春日神社)を参拝するまでの様子をお伝えしました。厳かな提灯の参道を抜けた後は、いよいよ今回の旅の目的地である「九華公園」へと向かいます。

訪問した2026年4月5日は、ちょうど園内で「さくらまつり」が開催されている期間中でした。そのため公園内は多くの人々でにぎわい、春ならではの華やかでどこか心浮き立つような雰囲気に包まれていました。

九華公園は、かつての桑名城跡を主として整備された歴史ある公園です。現代でも城郭の面影を色濃く残しており、巡らされたお堀や重厚な石垣、往時をしのばせる土塁などが、訪れる者を歴史の旅へと誘ってくれます。私自身、子供の頃には両親に連れられて何度も訪れた馴染み深い場所ですが、大人になってからこうして改めて歩いてみると、当時は気付かなかった深い魅力が数多く見えてきました。今回はそんな九華公園の散策レポートをお届けします。

お堀を彩る「桑名城お堀めぐり」の風情

公園に到着してまずお堀沿いを進むと、真っ先に目を引いたのが、水面をゆったりと進んでいく「桑名城お堀めぐり」の船でした。

桜の季節限定の風景ともいえるこの和船の姿は、まさに城下町桑名らしい風情そのものです。船が静かに進むたびに水面に優しい波紋が広がり、その向こうには咲き誇る桜や城跡の景観が美しく重なり合います。

お堀の水は決して透明とはいえず、独特の濁りもあるのですが、この日は不思議と新緑を思わせるような鮮やかな緑色に染まって見えました。その深い緑の水面に、風に舞った淡い桜の花びらが優しく浮かぶ様子は、どこか幻想的で一幅の絵画のようです。行き交う船をのんびりと眺めながら堀沿いを歩いていると、日常の喧騒を忘れ、時間の流れまでが少しゆっくりになったかのような贅沢な心地に浸ることができました。

満開は過ぎても十分に美しい桜の表情

今回訪れた時点では、桜の開花状況は満開のピークをやや過ぎている状態でした。

しかし、実際に園内を歩いてみると、まだまだ見頃をしっかりと保っている木々が数多く残されており、場所によっては満開に近い見事な姿を楽しむことができました。

少し強めの風が吹くたびに、ひらひらと梢から花びらが舞い散り、地面や堀の水面を淡い桜色に染めていく様子が見られます。完全に咲き誇る満開の華やかさとはまた異なる、春の終盤ならではの風情と移ろいの美しさがそこにはありました。周囲を見渡すと、熱心に写真を撮る人、家族連れで穏やかに散策する人、ベンチに腰掛けてお花見をじっくり楽しむ人など、それぞれが思い思いの形で春のひとときを愛おしむように過ごしていました。

露店が並ぶにぎやかな園内と祭りの活気

さくらまつりの期間中ということもあり、園内の主要な通りには数多くの露店が軒を連ねて並んでいました。

焼きそばやたこ焼き、フランクフルトといった昔ながらの定番の屋台グルメから、甘い香りを一面に漂わせる和洋のスイーツ系の店まで、実にバラエティ豊かです。ただ歩いているだけでも、お祭り特有の賑やかな気分が自然と高まってきます。

あちこちから聞こえてくる子供たちの楽しそうな笑い声や、屋台の店主たちの威勢のよい呼び込みの声が心地よく響き、まさに日本の春祭りらしい活気に満ちあふれていました。かつての城跡公園が持つ落ち着いた歴史的景観と、現代の祭りの賑やかさが不思議と調和して同居しているのも、この九華公園ならではの大きな魅力なのかもしれません。

お堀に囲まれた二之丸エリアの静かな風情

園内をさらに進む中で、特に私の心に深く印象に残ったのが「二之丸エリア」です。

この場所は、横幅こそそれほど広くはありませんが、周囲をぐるりとお堀に囲まれているため、まるで水上にぽつんと浮かぶ島のような独特の雰囲気を持っています。お堀越しに眺める対岸の桜や、瑞々しい木々の景色は実に美しく、城郭としての古い名残を最も強く肌で感じられる場所でした。

観光客で特ににぎわう本丸跡の周辺とは少し趣が異なり、ここではどこか落ち着いて思索に耽りながら散策できる空間が広がっています。静かに歩を進めながら、「この桑名城が現役の城として機能していた時代も、この辺りには同じように豊かな水面が広がり、人々が往来していたのだろうか」と、はるか昔の情景に想像を巡らせる時間は、大人の街歩きならではの格別な楽しさです。

東屋から一望する公園の調和

本丸跡と二之丸跡のちょうど中間に位置する場所に、風情ある東屋(あずまや)が建てられていたので、少し立ち寄ってみることにしました。

この東屋は少し小高くなっており、ここからは公園内をぐるりと見渡すことができます。美しく花を咲かせる桜の木々、静かに水をたたえるお堀の水面、楽しげに行き交う人々、そして遠くに調和を保って佇む歴史的な石垣。それらが一つの大きな風景として綺麗にまとまり、九華公園が持つ全体の姿をじっくりと俯瞰して感じることができました。少し腰を下ろしてこの景色を眺めていると、春の穏やかで優しい空気が心地よく体をつつみ、思わず時間を忘れて長居したくなってしまいます。

本丸跡に残る城の記憶と、歴史を見守る神社

続いて、広々とした「本丸跡エリア」へと足を向けました。

こちらは遮るもののない大きな広場になっており、設置された多くの露店や、お花見に訪れた大変な数の来園者で、本日一番の大きなにぎわいを見せていました。しかし、その現代的なにぎやかさの底にも、かつてこの場所が城の中心部、すなわち天守や本丸御殿が存在した場所だったという歴史の重みが確かに漂っています。

かつて天守が威風堂々と建っていた場所には、現在「桑名城天守跡」の碑があり、その周辺には鎭國守國神社(ちんこくしゅこくじんじゃ)などの厳かな社殿が静かに鎮座しています。広場の祭りの賑やかさとは対照的に、神社の境内周辺にはどこか凛とした落ち着いた空気が流れており、何百年もの間、ひっそりとこの地の歴史の変遷を見守り続けているかのようでした。

北口で堂々と出迎えてくれる本多忠勝公

九華公園の散策を終え、公園を北側へと抜けると、広場の先に大きな「本多忠勝公」の銅像が姿を現します。

戦国武将らしい武骨で立派な甲冑を身にまとい、堂々と大地を踏みしめて立つその姿は、初めて見る人であれば思わず足を止めて見入ってしまうほどの圧倒的な迫力があります。徳川四天王の一人であり、桑名藩の初代藩主として街の基礎を築いたことで知られる忠勝公ですが、その凛々しく引き締まった表情からは、勇猛果敢な武人としての威厳が今なお色褪せることなく伝わってきます。

うららかな春の青空を背景に、一段と高くそびえ立つその雄姿は実に絵になり、歴史をめぐる九華公園散策の締めくくりにふさわしい、最高の景観を見せてくれました。

結び:懐かしさの中で見つけた新たな魅力

子供の頃、まだ歴史のことなど何も知らなかった頃に両親に連れられて何度も訪れた九華公園。当時は、ただ広い芝生で遊んだ記憶や、綺麗な花を見て喜んだ記憶ばかりが残っていましたが、城跡としての深い歴史、張り巡らされた堀の構造的な美しさ、そしてお堀めぐりが醸し出す独特の風情などには、ほとんど気が付いていませんでした。

しかし、こうして大人になって知識と経験を重ねた目で改めて歩いてみると、通り過ぎる一つひとつの景色や足元の石垣に、桑名の豊かな歴史や文化が静かに息づいていることを実感します。ただ「懐かしい」という感傷だけでなく、新しい発見と感動に満ちた、実に有意義な散策となりました。春の柔らかな光の中で過ごした九華公園での時間は、また一つ心に残る素晴らしい思い出です。

さて、この充実した散策のあとは、公園に隣接する歴史ある「柿安吉之丸本店」を訪ね、その後「三之丸公園」へと向かいました。桑名が誇る食文化と、さらに続く周辺散策の様子については、次回のブログで詳しくご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに。

住所 / 地図

〒511-0032 三重県桑名市吉之丸5−1

 

 

 

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