近鉄百貨店 四日市店「生きたミニチュア恐竜展」:太古のロマンと現代の“癒やし系恐竜”レッドテグーに出会う旅(三重県四日市市の旅 : 2026-04-29)

 

 

近鉄百貨店 四日市店「生きたミニチュア恐竜展」

2026年4月29日、ゴールデンウィークの初日。再開発が進む四日市の街並みを歩き、近鉄四日市駅周辺の活気を感じながら、私は近鉄百貨店四日市店へと足を運びました。

もともとの目的は、地下の食料品売り場を物色して、この土地ならではの美味しいものを探すこと。しかし、5階へ続くエスカレーター付近で目に飛び込んできた「生きたミニチュア恐竜展」という力強い看板に、私の好奇心は一気に塗り替えられました。

「恐竜」という響きには、いくつになっても抗いがたい魅力があります。しかも「生きたミニチュア」という心惹かれるフレーズ。予定を急遽変更し、私はその未知なる生命の世界へと足を踏み入れることにしました。


「進化の系譜」を肌で感じる体験型展示

会場に一歩入ると、そこには博物館で見るような「静止した化石」の世界ではなく、かすかな吐息や鱗の擦れる音が聞こえてくるような、「動く生命」の熱量が満ちていました。

今回のイベントの最大の特徴は、恐竜そのものの模型を見せるのではなく、「恐竜の進化を感じさせる現代の生き物」に焦点を当てている点にあります。何千万年、何億年という歳月を経て、かつて地球を支配した巨獣たちがどのような形で現代にそのエッセンスを残しているのか。それを爬虫類というフィルターを通して体感できる構成になっています。

会場内には、グリーンイグアナや大型のトカゲ、そして重厚な質感を湛えたヘビたちが、まるで太古の森から迷い込んできたかのような佇まいで鎮座しています。その鋭い眼光や、複雑な幾何学模様を描く鱗、そして力強い四肢の動きを見ていると、私たちの足元にある歴史の深さを思わずにはいられません。模型では決して再現できない、生物だけが持つ「質感の説得力」がそこにはありました。


学びと驚きを指先から:触れる化石コーナー

単にケージ越しに眺めるだけでなく、五感を使って学べる工夫が随所に凝らされているのも、この展示の素晴らしいところです。

特に印象的だったのは、アンモナイトや、珍しい「恐竜のフンの化石」に実際に触れることができるコーナーです。数千万年の時を経て石となった生命の痕跡は、ひんやりとしていながらも、どこか確かな重みを感じさせます。かつてこの地球上に確かに存在し、呼吸をしていた生き物たちがいた証。指先から伝わるその感触は、教科書で読む知識よりもはるかにもどかしく、そしてダイレクトに知的好奇心を刺激してくれました。

また、会場内にはフォトスポットも充実しており、イグアノドンの頭部化石レプリカと一緒に記念撮影ができるエリアは、子どもたちだけでなく大人も童心に帰って楽しんでいる様子が伺えました。整理券制ではありますが、白ヘビや大型トカゲとの特別撮影会も開催されており、まさに「恐竜時代の生き残り」と直接触れ合える、贅沢な時間が流れていました。


私の心を射抜いた“赤き癒やし系”、レッドテグー

多くの迫力ある展示の中で、私が完全に心を奪われてしまった存在がいます。それが「レッドテグー」です。

レッドテグーは、その名の通り、成長とともに全身が鮮やかな赤色へと染まっていく大型のトカゲです。隣に展示されていたグリーンイグアナの洗練された佇まいや、アフリカンロックモニターの質実剛健な風格も素晴らしかったのですが、レッドテグーにはそれらとは一線を画す、独特の「愛嬌」が溢れていました。

特筆すべきは、その発達した喉元と頬(ほっぺた)のふっくらとした質感です。大型の個体になるほど、この部分がぷっくりと膨らみ、なんとも言えない幸福そうな表情を作り出します。動きは非常にゆったりとしており、成長するにつれて性格も穏やかになり、人によく懐く個体も多いのだとか。

私が観察していたとき、ちょうどその子が大きな口を開けて「あくび」をしました。その無防備で、ほんわかとした雰囲気。恐竜のような猛々しさを期待して見に来たはずが、あまりの可愛らしさに、気づけば展示ケースの前で長い時間を過ごしてしまいました。口元のぷっくり感と、優しい瞳。このギャップこそが、現代に生きる「ミニチュア恐竜」が持つ、最大の武器なのかもしれません。


ワークショップで形に残る思い出を

会場では、ジェルキャンドル作りや食品サンプル作りといったワークショップも同時開催されていました。自分だけの「恐竜の世界」を形にして持ち帰ることができるこの試みは、家族連れにとって最高の思い出作りになるでしょう。

最新の技術を駆使したエンターテインメントも良いですが、こうした手仕事を通して、その日に見た生き物たちの色や形を反芻する時間は、非常に豊かなものだと感じます。


結びに:ゴールデンウィークの四日市で出会う、小さな奇跡

「生きたミニチュア恐竜展」は、純粋な学術展示の枠を超えて、生命のリアルな迫力と、生き物たちが持つ不思議な癒やしを、絶妙なバランスで融合させた素晴らしい企画でした。

四日市の中心市街地が「ウォーカブルな街」へと生まれ変わろうとしている今、こうした百貨店内での体験型イベントは、街歩きのスパイスとして非常に魅力的な存在です。

開催期間は2026年5月6日まで。時間は10:00から17:00(最終入場16:30)となっています。

もしあなたがこのゴールデンウィークに四日市を訪れるなら、ぜひ5階の会場へ足を運んでみてください。そして、あのレッドテグーの、優しく、そして愛くるしい表情をぜひその目で確かめてみてください。きっと、あなたの中にある「恐竜」のイメージが、もっと温かく、もっと身近なものへと変わるはずです。

太古のロマンを胸に、現代を生きる小さな恐竜たちとの出会い。それは、慌ただしい日常を忘れさせてくれる、素敵なひとときになることでしょう。


地図:近鉄百貨店 四日市店

データ

  • 所在地:〒510-8585 三重県四日市市諏訪栄町7−34

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