天授庵:新緑あふれる2つの名庭と細川家ゆかりの歴史に包まれる南禅寺の旅 (京都府京都市の旅 : 2026-05-07)

 

 

天授庵(京都府京都市)

2026年5月6日で大型連休のゴールデンウィークが終わり、その翌日である5月7日。観光客の混雑も少し落ち着くのではないかという期待を胸に、いざ京都へと向かいました。

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今回の目的地は、青々とした新緑が美しく映える南禅寺周辺エリアです。

南禅寺の塔頭のひとつである金地院でその奥深い魅力にすっかり魅了された後は、いよいよ南禅寺の中門を抜け、本堂や大伽藍が立ち並ぶ中心エリアへと足を踏み入れました。

中門をくぐった瞬間、左手に飛び込んでくるのは圧倒的なスケールと存在感を誇る三門(重要文化財)です。

「今すぐにでもあの重厚な門を潜り抜けたい!」という興奮に包まれますが、実はそのすぐ手前に、素通りするにはあまりにも惜しい魅力あふれるお寺が待っていました。それが「天授庵(てんじゅあん)」です。

戦国武将・細川幽斎が繋いだ歴史と南禅寺開山の絆

天授庵は1339年(暦応2年)、南禅寺の開山である無関普門(むかんふもん/大明国師)の塔所(お墓や供養のための寺院)として、虎関師錬(こかんしれん)によって建立されました。

その後、応仁の乱などの激しい戦乱によって一度は荒廃してしまいましたが、1602年に戦国武将であり類まれな文化人としても知られる細川幽斎(ほそかわゆうさい)の手によって見事な再興を果たします。以来、細川家の菩提所として手厚く護られ、今日までその気品ある歴史を繋いできました。

境内に一歩足を踏み入れると、南禅寺参道の賑わいが嘘のように消え去り、静けさと歴史の重みが心地よく身体を包み込んでくれます。

対比に心を奪われる!表情がまったく異なる2つの名庭

天授庵に足を運んで誰もが心を奪われる最大の醍醐味は、まったく異なる美意識で造られた2つの名庭を一度に堪能できることです。それが「東庭(枯山水庭園)」と「書院南庭(池泉回遊式庭園)」です。

まずは方丈(本堂)の前に広がる「東庭」。ここは創建当時の姿をいまに伝えているとされる歴史ある枯山水庭園です。

一面に敷き詰められた真っ白な砂と青々とした苔のグラデーション、そして何よりその奥に広がる新緑の瑞々しさが白砂に映え、見事なコントラストを描いています。中でも印象的なのが、白砂の上に整然と対角線を描く菱形状の石畳です。方丈から腰をかけてこの景色を眺めていると、新緑の柔らかで優しい色彩と静かな空間に心がすーっとほぐれていき、深い癒やしのひとときに包まれます。

そして、東庭の静けさから一転してドラマチックな世界が広がるのが「書院南庭」です。

こちらは池を中心に築山や飛石が配されたダイナミックな池泉回遊式庭園で、池の周囲にめぐらされた小道を歩きながら、移り変わる風景を楽しむことができます。庭全体にはたくさんのカエデが枝を伸ばしており、秋には池の水面が鮮やかな朱に染まる「逆さ紅葉」の絶景スポットとしても大人気です。

じっくりと座って鑑賞する南禅寺本坊の方丈庭園などとは異なり、自分の足で池の周りをゆっくり巡りながら、水面に映り込む新緑や揺れる光の粒を眺められるのがたまりません。水辺の清々しい風を感じながら歩いていると、時の流れさえ忘れてすっかり引き込まれてしまいました。

誰もが心から安らげる、コンパクトな名刹の優しさに感動

先ほど訪れた金地院の雄大な境内に比べると、天授庵はとてもコンパクトにまとまっています。しかしその凝縮感こそが天授庵の魅力です。移動距離が短いため、凝縮された名庭の美を贅沢に満喫できます。

さらに嬉しいのが、境内には大きな高低差や険しい階段がほとんどないこと。足元を気にせずのんびりと歩を進めることができるため、年配の方や体力に自信のない方でも安心して心休まる贅沢な時間を過ごすことができます。南禅寺を訪れる際には、絶対に立ち寄ってほしい心からおすすめしたいスポットです。

それにしても、何げなく境内の一角に佇む子院のひとつひとつが、地方であればそれ単体で一大観光名所になるほどの溢れんばかりの魅力と歴史を秘めている京都。一歩進むたびに感動に出会えてなかなか前に進めないのは、旅人にとってまさに「嬉しい悲鳴」と言えますね。

高まる期待を胸に、いよいよ南禅寺三門へ!

東庭の心休まる静寂の中でゆっくりと休憩をはさみ、心と身体をじんわりとほぐした後は、いよいよ南禅寺のシンボルである大迫力の三門へと向かう準備を整えました。

南禅寺周辺の魅力をめぐる旅は、まだまだワクワクする見どころが目白押しです。いよいよ対面する大迫力の三門での素晴らしい体験や眺望については、次回のブログでじっくりとお届けします。ぜひ楽しみにお待ちください!


天授庵

  • 所在地:〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町86−8

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