忍者電車と名物豆腐田楽、歴史薫る旧小田小学校本館を巡る旅(三重県伊賀市の旅:2026-07-11)
旧小田小学校本館・田楽座わかや(三重県伊賀市)
2026年7月11日、三重県伊賀市を訪れました。伊賀上野城周辺を訪れるのは、2015年3月14日以来、実に11年ぶりのことです。歴史的な風情が残る大好きな街並みに再び足を運ぶことができ、出発前から胸が高鳴っていました。
今回の伊賀の旅は、魅力を余すところなくお伝えするために何回かのブログに分けてご紹介します。第一弾となる今回は、旅のスタートから名物グルメ、そして少し足を進めたところにある隠れた歴史スポットまでの道のりをお届けします。
名古屋から伊賀神戸駅へ!忍者電車で旅モード全開
旅のスタート地点は、近鉄特急に揺られてやってきた伊賀神戸駅です。名古屋からは近鉄特急を利用して約1時間半で到着します。
伊賀神戸駅の周辺には大規模な観光施設があるわけではないため、ここから伊賀鉄道に乗り換えて伊賀市の中心エリアへと向かいます。近鉄と伊賀鉄道のホームは隣接しており、列車の通行がない安全なタイミングで線路を渡れる状態であれば、なんと1分で乗り換えが可能です。このスムーズな接続は旅行者にとってとてもありがたいポイントですね。
ここから乗り込む伊賀鉄道の車両は、目にも鮮やかな「忍者電車」です。外観には凛々しくも可愛らしい忍者のイラストが描かれており、乗車した瞬間に一気に旅モードへとスイッチが入ります。
伊賀上野の観光の中心となる駅は上野市駅ですが、今回は旅のルートの都合上、1本手前(西側)にある「西大手駅」で下車することにしました。車窓に広がるのどかで素敵な田園風景をのんびりと眺めること約35分、目的地である西大手駅に到着しました。
西大手駅は非常にこじんまりとした可愛らしい駅ですが、駅舎ではさっそく忍者がお出迎えしてくれました。こういった細かな演出にも、忍者ゆかりの地ならではのこだわりを感じます。
「田楽座わかや」で味わう香ばしい名物とうふ田楽
西大手駅に到着して最初に向かったのは、駅から北へ数分ほど歩いた場所にある「田楽座わかや」です。まずはここで、伊賀名物の豆腐田楽をいただくことにしました。
「田楽座わかや」は、長年地元で愛され続けている伝統ある豆腐料理店です。店内に入ると、2階が吹き抜けになったおしゃれで落ち着いた空間が広がっており、心地よいゆったりとした時間が流れています。
今回注文したのは、名物の「とうふ田楽」を中心に、伊賀の素朴で味わい深い豆腐料理がセットになった「Aセット」です。
運ばれてきた料理の中で、まず目を引くのが主役のとうふ田楽です。自家製豆腐を串に刺し、炭火でじっくりと焼き上げて特製の味噌を塗った一品で、持ち手の串が大きく見た目のインパクトも抜群です。一口食べてみると、余分な甘みはなく、香ばしい味噌の旨味と焦げ目の風味をダイレクトに味わうことができます。これが固めに炊かれた白米との相性抜群で、どんどんご飯が進みます。
セットにはとうふ田楽だけでなく、丁寧に作られた野菜の煮物、おからの炊いたん、ごはん、お吸い物もついてきます。素材の味を活かしたバランスの良い食事を美味しくいただけるのは、旅先での大きな楽しみであり、本当にうれしい限りです。
明治の文明開化を感じる木造校舎「旧小田小学校本館」へ
絶品の田楽でお腹を満たした後は、いよいよ本格的な伊賀上野市内巡りのスタートです。
田楽座わかやを出て、伊賀上野城の北西に位置する「旧小田小学校本館」へと向かいました。徒歩で10分ほどの距離があり、食後の軽い散策にはちょうどよい運動になります。風情ある城下町の道をのんびり歩きながら目的地へと近づいていくと、やがて緑の中に佇む美しい木造校舎が姿を現しました。
まず何といっても目を引くのが、西洋風の雰囲気を巧みに取り入れた特徴的な外観です。明治時代の学校建築らしく、木造を基本としながらも左右対称に近い非常に整った美しい姿をしています。当時の日本は近代的な学校制度が整えられ始めた時期であり、全国各地で西洋建築を参考にした校舎が作られました。この建物を眺めていると、文明開化の時代に「新しい教育を受ける場所」を情熱をもって作ろうとした当時の人々の強い思いが伝わってくるようです。どこか小さな洋館を思わせる愛らしさもあります。
1階に足を踏み入れると、そこには昔の教室が忠実に復元されていました。使い込まれた木製の机や椅子、足踏み式のオルガンなどが静かに置かれています。現代の学校では見かけることのない小さな机と椅子をじっと見つめていると、かつてここで元気に授業を受けていた子どもたちの声や姿が自然と頭の中に浮かんできます。
そして、この建物でぜひじっくり見ておきたいのが2階の展示室です。ここには明治初期から昭和40年頃までの貴重な教科書、文房具、児童の作品など、日本の近代初等教育に関する歴史的な資料が豊富に展示されています。特に時代ごとに並べられた教科書は、紙面のデザインや挿絵、文章の内容が刻々と変化しており、日本の教育がどのように歩みを進めてきたのかを深く実感することができます。
この校舎は明治14年に建てられてから、昭和40年(1965年)に廃校となるまで、長い年月にわたって現役の学校として子どもたちを育み続けました。廃校後に本館以外の校舎は取り壊されましたが、平成2年から6年(1990年から1994年)頃に丁寧な保存修理が行われ、現在のように貴重な文化財として一般公開されるようになりました。「学びの場」から「歴史を後世に伝える建物」へと役割を変え、今も大切に残されています。
見学中、2階のベランダへ直接出ることはできませんでしたが、ベランダ越しに眺める外の景色がとても綺麗でした。明治14年に建てられた校舎の窓から現在の伊賀の町並みを眺めていると、「ここで学んでいた子どもたちも、同じようにこの窓からこの景色を眺めていたのだろうか」と想像が膨らみます。歴史ある古い校舎と現代の日常風景がひとつの視界に重なり合う、旧小田小学校本館ならではの特別な時間を過ごすことができました。
次なる目的地、旧崇広堂を目指して
旧小田小学校本館のノスタルジックな雰囲気をたっぷりと堪能した後は、上野公園の西側にある堀の道をゆっくりと下り、次の目的地である「旧崇広堂」へと向かいます。
道中では、伊賀上野城が誇る見事な高石垣の迫力と美しさに思わず目を奪われました。その圧倒的なスケールを眺めながら南へと進み、西大手駅の近くに位置する旧崇広堂を目指します。
11年ぶりの伊賀巡りは、まだまだ始まったばかり。次回は、名城の石垣と歴史ある旧崇広堂の魅力について詳しくご紹介しますので、どうぞお楽しみに!
所在地:旧小田小学校本館
〒518-0825 三重県伊賀市小田町141−1





















































