【旧東海道・池鯉鮒宿の松並木】旅人が行き交った街道の面影と歴史を辿る(愛知県知立市の旅:2026-05-30)
旧東海道・池鯉鮒宿の松並木(愛知県知立市)
知立散策の締めくくり!街道の歴史を辿る第3弾
2026年5月30日に訪れた愛知県知立市の散策旅。名鉄知立駅から知立神社までを歩いた第1回、そして知立公園で明治神宮ゆかりの花しょうぶに触れた第2回に続き、全3回でお届けしてきた知立旅も今回が最終回となる第3回目です。
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知立神社と知立公園をじっくりと見学し、美しい庭園の風情を存分に堪能した私は、知立の散策旅の締めくくりとして旧東海道を東へと向かって進むことにしました。最後に向かったのは、江戸時代の雰囲気を現代にまで伝える「池鯉鮒宿東口」と「松並木」です。ここまで足を延ばして歩いてみると、先ほどまで目にしていた知立神社や知立古城址、知立公園の景観とはまた一味異なる、「かつて旅人が行き交った道としての知立」という新たな一面が見えてきます。
池鯉鮒宿の歴史:東海道39番目の宿場町として栄えた背景
江戸時代、知立の街は東海道五十三次の39番目の宿場町である「池鯉鮒宿(ちりゅうじゅく)」として大いに栄えました。知立を通るルートは、鳴海宿から岡崎宿へ向かううえで地形が比較的平坦であり、距離的にも短かったことから、交通の要衝として次第に重要な街道へと発展していきました。
さらに、古くから多くの信仰を集めていた知立神社が存在していたことに加え、地域では活気あふれる馬市や木綿市も定期的に開かれていました。そのため、人や物が絶え間なく集まる地域経済の中心的な拠点としての役割も果たしていたのです。こうした地理的・歴史的な背景が重なり合い、江戸時代に東海道の重要な宿駅として池鯉鮒宿が正式に成立することとなりました。
散策の途中でまず訪れた「東海道池鯉鮒宿東口」は、まさに当時の宿場へ東側から足を踏み入れる玄関口にあたる場所です。現在は周辺に住宅地や現代の道路が広がっていますが、「かつてここを江戸時代の旅人たちが期待や疲労を胸に抱きながら歩いていたのだ」と思いを馳せると、何気ない街角の風景の中にも深い歴史の重みが感じられてきます。
街道の面影を今に伝える池鯉鮒宿の松並木:江戸時代からの歩み
東口からさらに旧街道を進んでいくと、緑豊かな「池鯉鮒宿の松並木」が目の前にその姿を現します。
江戸時代の東海道では、長旅を続ける旅人たちを夏場の厳しい強い日差しや激しい風雨から守るため、街道沿いに松などの並木が手厚く整えられました。知立の松並木も江戸時代に幕府や地域の手によって整備されたものであり、当時この付近では有名な馬市が開かれ、街道を行き交う人々や馬で大変な賑わいを見せていたと伝えられています。
さらに足を進めると、現在も「旧東海道 知立松並木」として美しい並木道が続いており、当時の街道らしい風情を肌で感じながら歩くことができます。
ちなみに、「池鯉鮒宿の松並木」というのは、江戸時代の池鯉鮒宿の東側に位置していた松並木という歴史的な由緒を表す呼び方です。一方で「旧東海道 知立松並木」は、現在まで大切に残されている松並木を、旧東海道沿いにある「知立の松並木」として現代において呼んでいる名称となっています。どちらの呼び名にも、この道が歩んできた永い歴史への敬意が込められています。
文化財として受け継がれる約500メートルの並木道
この価値ある松並木は、昭和44年(1969年)に知立市の文化財指定を受けました。歴史の中で幾多の試練を乗り越えてきた並木ですが、昭和34年(1959年)に地域を襲った伊勢湾台風によって、惜しくも多くの貴重な松が倒れてしまうという大きな被害を受けました。
しかし、歴史的な景観を後世に引き継ぐため、昭和45年(1970年)に補植が行われ、地域の人々の手によって現在も往時の雰囲気をしっかりと補修・維持した景観が大切に守られています。
約500メートルにわたってどこまでもまっすぐ続く松並木は、単なる緑豊かな散歩道ではありません。ここには、江戸時代の旅人が実際に足を踏みしめて歩いた「東海道」という気の遠くなるような時間の蓄積そのものがしっかりと残されているのです。
知立散策旅の振り返り:牛田駅から帰路へ
実際に知立の街を自分の足で巡ってみると、知立神社の荘厳で静けさに満ちた境内から、かつて宿場町として賑わった池鯉鮒宿の街並み、そして緑鮮やかな松並木へと、歩むにつれて周囲の景色が少しずつ情緒豊かに変化していくのがとても印象的でした。
かつての旅人たちも、まずは知立神社に参拝して旅の安全を祈願し、宿場の茶屋や旅籠でひと休みした後に、この松並木を抜けて次の目的地へと向かっていったのでしょう。浮世絵師・歌川広重の名作「東海道五十三次」の中にも池鯉鮒の風景が生き生きと描かれていることを思い返すと、自分が今こうして歩いている目の前の道が、江戸時代には日本全国から多種多様な人々が行き交う主要街道であったことを実感できます。
松並木を抜けて今回の歴史散策を無事に終え、最寄り駅である牛田駅から名鉄線に乗って帰路に就きました。初めて訪れた知立市でしたが、街のあちこちに豊かな歴史と魅力的なスポットが溢れており、大変満足感のある素晴らしい旅となりました。
今回は時期やスケジュールの都合で訪れることができなかった魅力的なスポットもまだまだたくさん残されているため、ぜひまた気候の良い涼しい時期を狙って、知立の街をゆっくりと散策してみたいと思います。全3回にわたってお届けした知立散策ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました!
地図(知立公園)
〒472-0023 愛知県知立市西町神田12




























