【大宝寺】奈良井宿の静けさに出会う!戦国時代の歴史を伝える寺院とマリア地蔵、緑豊かな庭園(長野県塩尻市の旅 : 2026-07-25)
広伝山大宝寺(長野県塩尻市)
奈良井宿の静けさに出会う、広伝山大宝寺
奈良井宿の旅ブログ、第3回目となります。
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2026年7月25日、約25年ぶりに訪れた奈良井宿の街並みを歩いていると、街道沿いの町家とは少し趣の異なる立派な山門が目に入ってきます。
ここが、臨済宗妙心寺派の広伝山大宝寺(こうでんざんだいほうじ)です。
大宝寺は1582年(天正10年)、奈良井治部少輔義高(ならいじぶのしょうゆうよしたか)が自らの菩提寺として開いたのが始まりとされています。奈良井宿にある5つの寺院のうちの1つで、戦国時代からこの土地の歩みと歴史を静かに見つめ続けてきた歴史ある寺院です。
山門をくぐると、拝観受付があります。
受付は無人になっており、案内に従って拝観料を納めてから境内へと足を進めます。
宿場町を歩いていると、どうしても街道沿いの古い町家や賑やかな店先に目が向かいがちですが、一歩寺の境内に入ると周囲の空気がすっと変わるのが分かります。
まずは境内にある観音様を参拝し、そのまま静かな境内を奥へと進んでいくことにしました。
今回、大宝寺を訪れた大きな目的の1つが、境内にある「マリア地蔵」を拝観することでした。
胸に残る十字架、マリア地蔵
大宝寺のマリア地蔵は、奈良井宿の深い歴史を語るうえでも非常に印象的な存在です。
この地蔵は、昭和初期に近くの藪の中から発見されたものと伝えられています。
江戸時代、キリスト教の信仰が厳しく禁じられていた時代に、自らの信仰を密かに守り続けようとした人々が祈りを捧げるために造ったものではないかといわれています。子どもを抱く地蔵、いわゆる「子育て地蔵」の姿を借りることで、表向きには地蔵として祀りながら、陰で信仰を守り抜こうと考えたのです。
実際に目の前で拝観してみると、その姿には痛ましい歴史の痕跡がはっきりと残っています。
頭部などが壊されて失われており、胸の中央部分には刻まれた十字架を確認することができます。「マリア地蔵」と呼ばれる理由が、まさにここにあります。
現在では穏やかで静かな境内に大切に安置されていますが、この石仏が昭和初期に発見されるまでには、途途もなく長い年月がありました。
禁止された信仰を人目から必死に隠し、地蔵の姿に託して守ろうとした人々がいた。その背景にある歴史を知ったうえで目の前の石仏に向かい合うと、単なる古い石造物とは違った重みが胸に迫ってきます。
奈良井宿は、古い町並みを歩くだけでも十分に魅力的で楽しい場所ですが、街道からほんの少し入った場所にこうした深い歴史に触れられるスポットが残されているのも大きな魅力だと感じます。
マリア地蔵を深く心に刻んだあとは、本堂へと進みます。
本堂の奥に広がる静かな庭園
最後に本堂へと上がり、静かに参拝を済ませました。
そして本堂の奥へと進んでいくと、緑に囲まれた美しい庭園が広がっていました。
その素晴らしい光景に引き込まれ、しばらく足を止めて眺めることにします。
庭園には緑豊かな木々が心地よく広がり、その中央には静かに水面をたたえる池が配置されています。
この日は奈良井宿の街道沿いを歩きながら、江戸情緒あふれる町並みを存分に楽しんできました。街道沿いには多くの観光客が行き交い、店をのぞいたり、写真を撮ったりしながら、それぞれに賑やかな奈良井宿の雰囲気を楽しんでいます。
ところが、本堂の奥にあるこの庭園までやってくると、先ほどまでの賑わいが嘘のように遠く感じられます。
青々と茂る緑に囲まれ、澄んだ池を眺めながら、ベンチでしばらく涼をとりました。
爽やかな風が吹き抜けるたびに木々の葉がさらさらと揺れ、静かな水面と緑のコントラストが目に優しく映ります。
旅の途中で出会うこうした時間が、心身ともに驚くほど心地よく感じられます。名所や観光スポットを次々と巡っていくのも旅の醍醐味ですが、ふと思いかけず静かな場所に出会い、そこで少し立ち止まって時を過ごす。大宝寺の庭園では、そんな贅沢で心安らぐ時間を楽しむことができました。
街道の喧騒を離れて触れる奈良井宿の奥深さ
奈良井宿の魅力は、街道沿いに残る江戸時代の面影を残す町並みだけではありません。
その町並みのすぐ山側には、戦国時代から続く歴史ある寺院が存在し、さらにその境内には禁教の時代を物語るマリア地蔵が静かに安置されています。そして、そのさらに奥には心を落ち着かせてくれる静かな庭園が広がっているのです。
街道を歩くだけでは決して見えてこない、奈良井宿の奥深い歴史と豊かな静けさに触れることができたのが、今回の大宝寺訪問でした。
賑やかな宿場町を歩いたあとで訪れたからこそ、この境内の静けさがいっそう深く印象に残ります。
もし奈良井宿を訪れる機会があれば、街道の町並みを歩くだけで終わらせず、ぜひ少し山側へも足を向け、大宝寺を訪れてみてください。街道の華やかさとはまた一味違った、奈良井宿の深い魅力に出会えるはずです。
次回以降のブログでは、奈良井宿で実際に訪れた資料館や、宿場周辺のその他の寺院・神社についてご紹介していきます。どうぞお楽しみに!
住所 / 地図
〒399-6303 長野県塩尻市奈良井423


















