【奈良井宿】思い出の食事処「越後屋」で25年ぶりの味に再会!さらに戦国時代の面影を残す奈良井氏居館跡へ(長野県塩尻市の旅 : 2026-07-25)

 

 

越後屋食堂・奈良井氏居館跡(長野県塩尻市)

25年ぶりに訪れた思い出の味「越後屋」

奈良井宿の旅ブログ、第2回目となります。

【奈良井宿】江戸時代の街並みがそのまま残る木曽路の名所!25年ぶりの再訪で感じた歴史と旅の魅力(長野県塩尻市の旅 : 2026-07-25)

2026年7月25日、約25年ぶりに訪れた奈良井宿の街並みを歩きながら、今回絶対に立ち寄りたいと思っていたお店がありました。宿場町の一角に佇むお食事処「越後屋」さんです。

ここを訪れるのは、実に25年ぶりのことになります。

25年前、まだ若かった頃に奈良井宿を訪れた際、この越後屋さんで山菜をいただきました。その時に食べた山菜の味わいが、今でも強く記憶に残っています。

それまでの私にとって山菜は、独特の苦みや風味を楽しむものという程度の認識でした。しかし、ここで食べた山菜は違いました。

「山菜って、こんなにおいしいものなのか」

若かった自分には、それほど新鮮な味わいでした。それ以来山菜が好きになり、今でも旅先で山菜料理を見つけるとつい食べてみたくなります。私自身が山菜を好むようになったきっかけの一つが、この越後屋さんだったのかもしれません。

そんな思い出の店を25年ぶりに訪れると、店内にはどこか懐かしい感覚がありました。まるで時間だけが25年前へと戻ったかのようです。昔ながらの宿場町らしい落ち着いた雰囲気が残っていて、かつてここで食事をした記憶が自然によみがえってきます。

今回注文したのは「越後屋定食」です。

ざるそば1枚に、山菜などの小鉢2点、そして五平餅が2個付いたセットです。ざるそばは2枚にすることもできますが、今回は1枚にしました。

まずは、ざるそばからいただきます。宿場町を歩いてきたこともあり、冷たいそばが心地よく感じられます。続いて楽しみにしていた山菜をいただくと、やはりおいしい。25年前の記憶があるからこそ、味わいもひときわ感慨深いものがあります。

香ばしい五平餅もいただき、これで十分に満足です。

そば、山菜、五平餅。それぞれに木曽らしい素朴さがありながら、旅先で食べるからこそのおいしさがあります。

25年前に感動した味を、25年後の今も変わらず楽しめる。長い年月を経て同じ店を訪れると、料理そのものだけでなく、そこに残っている自分の記憶まで味わっているような気持ちになります。

お腹も満たされ、気分も上々です。ここからは少し歩いて、食後の運動といきます。

奈良井宿の裏手に残る奈良井氏居館跡

次に向かったのは、宿場町の北側にある「奈良井氏居館跡(ならいしいきょかんあと)」です。

奈良井宿の中心から少し離れ、法然寺の横を抜けます。小さな川沿いを歩きながら宿場町の裏手へ回り、そこから高台へ向かって進んでいきます。

古い町家が軒を連ねる宿場町を離れると、景色は次第に山の中へと変わっていきます。食後の散策としては、思っていた以上にしっかりした上り坂です。しかし、こうして歩いてみると、奈良井宿の立地そのものも少し違って見えてきます。

しばらく上っていくと、奈良井氏居館跡に到着しました。

ここは、中世から戦国時代にかけてこの地域を支配した奈良井氏の居館跡です。居館を構えていたのは、奈良井治部少輔義高です。奈良井氏は木曽地方の有力な国人領主で、戦国時代には奈良井周辺を支配していました。当時の木曽地域は、木曾氏や武田氏など周辺勢力の影響を受ける地域であり、奈良井氏もその複雑な政治情勢の中に置かれていました。

義高については、木曾義昌と対立し、1584年(天正12年)に贄川で成敗されたと伝えられています。そんな奈良井氏が拠点とした場所が、現在もこうして残されています。

とはいえ、ここには目立つ建物が残っているわけではありません。高台に広がるのは、木々に囲まれた静かな空間です。奈良井宿の中心部からそれほど離れていないのに、人の気配はほとんどありません。

宿場町を歩いていると、多くの観光客が行き交い、古い町家や土産物店などに目が向きます。しかし、ほんの少し山側へ入るだけで、まったく異なる奈良井の姿に出会えます。

ここに立っていると、かつてこの場所から周囲を見渡していた奈良井氏の姿を想像したくなります。建物そのものが残っていない史跡だからこそ、目の前に広がる地形や山々の配置を眺めながら当時の暮らしを想像する面白さがあります。

宿場町のさらに奥にある奈良井の歴史

奈良井宿というと、どうしても江戸時代の中山道と結びつけて考えがちです。約1kmにわたって古い町並みが続き、街道を歩けば、江戸時代の旅人が行き交った時代を身近に感じることができます。私自身、奈良井宿にはそうした宿場町としての魅力を求めて訪れました。

しかし、今回「奈良井氏居館跡」まで足を延ばしたことで、この土地に対する印象が少し変わりました。

この土地には、中山道の宿場町として整えられるよりも前から、長い歴史があったのです。「奈良井」という地名も古くから存在しており、奈良井氏がいたから地名が生まれたという単純な関係ではありません。むしろ、もともと存在した「奈良井」という地名を名字として奈良井氏が名乗り、この地域を支配していたと考えるほうが自然です。

宿場町の街道を歩き、さらにその奥にある奈良井氏居館跡まで訪れてみると、「奈良井」という名前が持つ歴史の深さを実感しました。

25年前の若い頃に訪れた際は、越後屋でいただいた山菜のおいしさに心を奪われ、ただただ食の感動に浸っていました。

そして25年という時が流れた今回の旅では、その思い出の店で再び懐かしい味を堪能し、さらにその足で山側の高台へと登り、戦国時代にこの地を治めた奈良井氏の拠点まで歩きました。

食べる楽しみ、歩く楽しみ、そして土地の歴史を知る楽しみ。25年前に訪れたときは越後屋の山菜の美味しさに感動するだけでしたが、今回は土地の歴史にも興味が広がりました。年月を経て、自分自身の旅の楽しみ方も深まったと感じられる、静かで豊かな時間となりました。

奈良井宿の華やかな町並みから少し離れた高台に残る奈良井氏居館跡。観光の中心から外れた静かな場所だからこそ、奈良井という土地が歩んできた時間を、ゆっくりと感じることができました。

次回以降のブログでは、奈良井宿で実際に訪れた資料館や宿場周辺の寺院・神社についてご紹介していきます。お楽しみに。

住所 / 地図:越後屋食堂

〒399-6303 長野県塩尻市奈良井666−1

 

 

 

 

 

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