南加木屋駅から熊野神社、加木屋緑地、加木屋中ノ池駅を巡る歴史と自然の歩き旅(愛知県東海市の旅 : 2026-09-19)

 

 

南加木屋駅・加木屋緑地・加木屋中ノ池駅(愛知県東海市)

今回の散策旅は、名鉄河和線の南加木屋駅からスタートします。

大田川駅にはこれまでに何度も訪れたことがありますが、今回歩く南加木屋駅周辺は、私にとって初めての散策エリアです。どんな景色に出会えるのか、どんな歴史が残されているのか。いつものように公共交通機関を利用しながら、気になる場所を自分の足で巡っていきます。

南加木屋駅から歴史ある熊野神社へ

まずは、今回の出発地点となる南加木屋駅へ到着しました。

南加木屋駅が開業したのは、1931年(昭和6年)4月のことです。当時は知多鉄道の駅として誕生し、その後、名古屋鉄道の駅となりました。長年にわたって地域の人々の暮らしを支えてきた歴史ある駅です。

普段は目的地へ向かうために何気なく利用する駅も、こうして歴史を調べてみると、街の発展を静かに見守ってきた存在であることに気づかされます。

駅を出て、まず最初に向かったのは駅前にある熊野神社です。

東海市加木屋町に鎮座する熊野神社は、創建年代こそ明らかではありませんが、戦国時代の出来事にまつわる興味深い由緒が伝えられています。

神社の公式サイトによると、1560年(永禄3年)の桶狭間の戦いで織田信長に敗れた今川義元。その家臣だった久野清兵衛宗政(くの・せいべえ・むねまさ)は、戦いの後、駿河国(現在の静岡県)の久能山を離れ、縁あって加木屋の住人になったといいます。

その際、久能山を出るときに所持していた阿弥陀・薬師・観音の三尊のうち、観音を氏神の御神体としたことが伝えられています。

戦国時代の動乱を背景に、遠く駿河からこの地へ移り住んだ人物の足跡が、地域の神社の由緒として今も残されているのは実に興味深いことです。

桶狭間の戦いといえば、織田信長が今川義元を破った有名な合戦ですが、その影響は合戦そのものにとどまらず、散り散りになった家臣たちのその後の人生にも大きく及んでいたことが伺えます。神社に伝わる由緒を知ると、目の前の静かな社殿にも、戦国時代から続く地域の記憶が重なって感じられました。

里山の自然が今も残る加木屋緑地へ

熊野神社をあとにし、次に向かったのは加木屋緑地です。

加木屋緑地は、東海市加木屋町にある自然豊かな緑地です。2013年(平成25年)4月に供用が始まり、昔ながらの里山の風景や貴重な自然を守りながら、市民が身近に自然と触れ合える場所としてきれいに整備されました。

緑地の中心となるのは、標高59.2メートルの御雉子山(おきじやま)です。東海市内でもっとも標高の高い山とされ、周辺には豊かな自然林が大切に残されています。

この御雉子山には、尾張藩二代藩主の徳川光友が、横須賀に設けた別荘を訪れた際、鷹狩りをしたことに由来するという伝承もあります。キジなどの野鳥が多く生息していたことから、その名が付いたと伝えられています。市街地の近くでありながら、こうした歴史と自然がそのまま残されているのは素晴らしいことですね。

緑地内は「水辺の森」「散策の森」「みはらしの森」「成長の森」という4つのゾーンに分かれており、それぞれ異なる自然の表情を楽しめるようになっています。

今回のお目当ては、みはらしの森に設けられた加木屋緑地展望台です。

展望台からは、(この日は見ることはできませんでしたが、)天気がよければ御嶽山や北アルプスまで見渡すことができます。周囲の自然を全身で感じながら歩き、展望台から遠くの山並みに思いを巡らせる時間は、とても心地よいひとときでした。

また、緑地内には木材チップを敷き詰めたクロスカントリーコースも整備されています。自然環境を守るだけでなく、人々が散策や運動を心地よく楽しめる場所として活発に活用されていました。

公立西知多総合病院から新しい加木屋中ノ池駅へ

加木屋緑地をあとにし、次に目指すのは公立西知多総合病院です。今回は病院の近くまで足を延ばし、そこから加木屋中ノ池駅へと進みます。

ここで注目したいのが、加木屋中ノ池駅の歴史です。

この駅は、南加木屋駅と高横須賀駅の間に新たに設置された駅で、2024年(令和6年)3月16日に開業したばかりです。副駅名は「公立西知多総合病院前」となっており、病院へのアクセス向上や、周辺地域の利便性を高める重要な役割を担っています。

南加木屋駅が1931年開業であるのに対し、こちらは2024年開業。長い歴史を持つ駅と、新しい街づくりの一環として誕生した新駅を続けて巡ると、鉄道と地域の関係が時代とともに変化していることがよく分かります。

さらに、駅周辺では南改札口の整備も進められており、地域の交通利便性が着実に高められていました。今回の散策では、こうした新しい街の風景を実際に歩いて体感することができました。

新駅をあとにしたら、名鉄河和線の線路を橋で渡り、岩屋口史跡公園を横目に見ながら、さらに北へと歩みを進めていきます。

夢庵でのランチと木田城跡への挑戦

じっくりと歩き続けてちょうどお昼どきになったところで、夢庵 愛知東海店に立ち寄ってランチタイムにしました。散策旅では、途中でしっかり美味しい食事をとり、ほっと一息つく時間も大切です。

しっかりと休憩を終えたら、午後の目的地へ向けて出発します。

次に目指したのは、さらに北へ進んだ先にある木田城跡です。初めて訪れる土地に城跡が残されていると聞けば、歴史好きとしてはどうしても気になります。かつてこの地域にどのような城があり、どのような歴史が刻まれていたのか、現地でその痕跡を探してみたいと思い、期待を込めて足を運びました。

ところが、目的地周辺に到着してみると、そこはなんと工事の真っ最中。残念ながら、期待していた木田城跡の様子を確認することはできませんでした。

せっかく歩いて訪れたのに、目的を果たせなかったのは少々心残りです。しかし、実際に現地まで自分の足で歩いてみなければ分からないこともあります。今回は残念な結果となりましたが、また機会があれば改めて場所や見学方法を確認し、再訪してみたいと思います。

散策の終着点・大田川駅へ

木田城跡をあとにした後は北西へと進み、今回の散策の終着点である大田川駅を目指します。

大田川駅にはこれまで何度も訪れたことがありますが、今回は南加木屋駅から自分の足で歩いてたどり着いたことで、いつもとは少し違った達成感と新鮮な感覚がありました。

初めて歩く街で、戦国時代の由緒を持つ神社に参拝し、里山の豊かな自然に触れ、新しく誕生した駅の様子を観察する。そして最後は、楽しみにしていた城跡を見られないという小さなハプニングもありました。

それでも、駅から駅へと自分の足で歩いたことで、電車に乗っているだけでは決して気づかなかった東海市の魅力的な風景にたくさん触れることができました。

こうした何気ない街歩きの積み重ねと発見こそが、私にとって何よりの旅の楽しみです。おしまい。


地図:加木屋緑地

データ

  • 所在地:〒477-0032 愛知県東海市加木屋町雉子野2−6

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