御嵩駅・願興寺・御嶽宿|名鉄広見線を訪ねて可児・御嵩ぶらり旅(第2回) ( 岐阜県御嵩町の旅 : 2026-07-18 )
御嵩駅・願興寺・御嶽宿(岐阜県御嵩町)
名鉄広見線の新可児駅から電車に揺られ、終点の御嵩駅へ到着しました。
2026年7月18日に訪れた今回の旅は、名鉄広見線の新可児~御嵩間が2029年4月1日に廃止決定したことを受け、沿線の様子をじっくり記録に残すべく巡っています。第2回となる今回は、終着駅である御嵩駅の現在と、駅から歩いて巡ることができる歴史豊かな御嶽宿周辺の散策の模様をお届けします。
JR可児駅・名鉄新可児駅|名鉄広見線を訪ねて可児・御嵩ぶらり旅(第1回) ( 岐阜県可児市の旅 : 2026-07-18 )
三角屋根が魅力的!まもなく鉄道の役目を終える御嵩駅の今
御嵩駅に降り立つと、まず目を引くのが印象的な三角屋根を持つ味わい深い木造駅舎です。現在の駅舎は1952年(昭和27年)に建てられたもので、長年にわたり御嵩の町の玄関口として多くの旅人や地域の人々を温かく迎えてきました。
実は2021年にもこの駅を訪れたことがあり、その際には駅舎内にある観光案内所兼お土産売店が元気に営業していました。今回訪れたタイミングではシャッターが閉まっていましたが、売店自体がなくなってしまったわけではありません。基本の営業時間は9時~17時で、水曜日や年末年始などが定休日となっています。今回はあいにく営業時間外の訪問となったため、しんみりとした静かな駅舎の表情を見ることになりました。
そして、この駅には大きな大きな節目が迫っています。名鉄は新可児~御嵩間について、2029年4月1日をもって廃止することを決定しました。利用者の減少などを背景に、地域を支え続けてきた長い鉄道路線の歴史がいよいよ幕を下ろすことになります。
2021年に訪れたときと、2026年の今。同じ木造駅舎の前に立っていても、駅を取り巻く現実や未来へのカウントダウンは大きく変わりつつあります。まもなくこのホームに列車が来なくなってしまうのかと思うと、胸の奥にどこか寂しさがこみ上げてくるのを感じつつ、駅を後にしました。
保存修理が進む古刹「願興寺」で時代を紡ぐ姿に出会う
御嵩駅から歩を進め、最初に向かったのは天台宗の大寺山 願興寺(がんこうじ)です。
「蟹薬師」や「可児大寺」の通称でも親しまれるこの古刹は、御嶽宿の歴史や人々の信仰と極めて深い関わりを持ちながら受け継がれてきた名刹です。また、槍の名手として戦国時代に名を馳せた猛将・可児才蔵の生誕地とも伝えられています。
可児才蔵といえば、討ち取った敵の首級口に笹を含ませて手柄を証明したことから「笹の才蔵」の異名で恐れられ、関ヶ原の戦いでは最多級の首級を挙げて徳川家康からも絶賛された武勇の持ち主です。主君にも媚びず「くそくらえ」と言い放つ無骨な性格や、自身の予言通り甲冑姿で息を引き取ったという豪快な伝説が残る人物で、境内を歩いているとその歴史の浪漫を感じられます。
2026年7月18日の訪問時には、本堂の大規模な保存修理工事が着々と進められている最中でした。
まずは三門をくぐって境内へ入り、右手に進んで仮本堂となっている十王堂にて静かに参拝を済ませます。そこからさらに境内奥へと足を進めると、左手には改修工事中の本堂が見えてきます。普段の美しい外観とは異なり、時代を越えて建物を残すための特別な姿となった本堂を間近で見学することができました。そしてその先には、重厚で歴史の重みを感じさせる鐘楼門が姿を現します。
今回は事前予約をしていなかったため、貴重な寺宝が収められている霊宝殿へは立ち寄りませんでした。それでも、仮本堂でのお参り、修理中の貴重な本堂の姿、可児才蔵ゆかりの歴史、そして風情ある鐘楼門と、改修期間中だからこそ出会える特別な願興寺の風景をしっかり目に焼き付けることができました。
何百年もの長い歴史を誇る建造物が、これから先の未来へ確実に受け継がれるために丁寧に手入れされている。その作業現場と歴史の息吹を現場で実感できたのは、今回の旅において非常に価値のある体験となりました。
宿場町の歴史を学ぶ!「御嶽宿わいわい館」と「中山道 みたけ館」
願興寺の参拝を終えた後は、御嶽宿の町並みを歩く拠点となる「御嶽宿わいわい館」へ向かいました。
ここでは御嶽宿や中山道に関するさまざまな情報を得ることができ、本格的に宿場町を歩き始める前に、その成り立ちや歴史背景を身近に学ぶことができる立ち寄りスポットです。
御嶽宿は、中山道六十九次の中腹にある重要な宿場の一つとして栄え、先ほど訪れた願興寺の門前町としても賑わいを見せてきた歴史を持っています。現在は落ち着いた静かな街並みが広がっていますが、かつて多くの旅人や武士が行き交った街道であることを意識しながら歩くと、目に入る風景の味わいもひと味違って感じられます。
続いて、すぐ近くにある「中山道 みたけ館」を訪れました。ここでは御嵩町の歩んできた歴史や文化、中山道に関連する貴重な資料や展示物をじっくり鑑賞することができ、実際に自分の足で歩いてきたこの町の背景をより深く理解することができました。
また、「中山道 みたけ館」の駐車場そばには「大正時代の消防ポンプ」が展示されています。
宿場町の散策というと、どうしても古い木造の町家や旧街道の雰囲気にばかり目が行きがちですが、こうした昔の道具が大切に残されているのも非常に興味深いところです。大正時代における人々の暮らしぶりや、木造家屋が多い宿場町で火災から町を守ろうとした当時の防火への取り組みと知恵がひしひしと伝わってきます。
歴史が交差し重なり合う御嵩の町を歩いて
御嵩駅からスタートし、願興寺、御嶽宿わいわい館、中山道みたけ館、そして駐車場そばの大正時代の消防ポンプの見学へ。
今回の御嵩散策は、いわゆる派手で華やかな観光地を巡るというよりは、中山道の宿場町にひっそりと残る歴史の破片を一つひとつ丁寧に発見しながら歩く、味わい深い旅となりました。
まもなく鉄道としての役目を終えようとしている御嵩駅と、修理を重ねながらこれからも確かな歴史を未来へ伝えていく願興寺や御嶽宿の街並み。さまざまな時代の記憶が幾重にも重なり合う御嵩の町を、自分のペースでゆったりと巡ることができ、非常に充実した時間を過ごせました。
この後は、さらに歴史情緒あふれる「商家竹屋」へと向かいます。御嵩駅周辺の魅力的な散策はまだまだ続きますので、次回のブログ記事もぜひ楽しみにお待ちください。
地図:中山道 みたけ館
〒505-0116 岐阜県可児郡御嵩町御嵩1389−1





































