【長谷寺】五重塔から奥の院の豊臣秀長公供養塔、そして本坊へ!山寺の奥深さを実感した旅の締めくくり(その4)(奈良県桜井市の旅:2026-07-27)
長谷寺(奈良県桜井市)
人生で初めて訪れた長谷寺の参拝記も、いよいよ今回が最終回となります。
【長谷寺】国宝の本堂へ!大迫力の十一面観世音菩薩と舞台からの絶景、千年の時を越える「時の貝」(その3)(奈良県桜井市の旅:2026-07-27)
前回は、399段の登廊を上りきって国宝の本堂へお参りし、大迫力の十一面観世音菩薩立像とのご対面や舞台からの絶景、そして正午を告げる「時の貝」の法螺貝と鐘の音に出会えた感動の体験をお届けしました。 今回は、本堂をあとにし、五重塔、本長谷寺、六角堂、奥の院にある豊臣秀長公の供養塔、そして旅の最後を締めくくる本坊までの道のりを詳しくご紹介します。
期待を胸に五重塔と本長谷寺へ
本堂での参拝を終え、「時の貝」の力強い法螺貝の余韻に浸りながら、次に向かったのは長谷寺の象徴的な建造物の一つである「五重塔」です。 本堂からさらに境内の奥へと歩みを進め、創建の地とも伝えられる「本長谷寺(ほんはせでら)」を抜けて五重塔を目指します。
初瀬山の豊かな自然と緑の中にひときわ映える昭和の名塔・五重塔。山の中に美しく佇むその雄姿をこの目で見るのをとても楽しみにしていたのですが、残念ながら私が訪れたときは改修工事の期間中でした。そのため、今回は五重塔そのものの美しい姿を拝むことは叶いませんでした。
せっかくここまで足を運んだだけに少し心残りはありましたが、何百年もの歴史を誇る貴重な寺院建築や文化財を後世へと綺麗に繋いでいくためには、こうした定期的な修理や保存工事は欠かせない大切な営みです。 工事がすべて完了したあかつきには、ぜひとも再訪を果たし、今回見ることができなかった清らかな五重塔の姿をしっかりと写真と心に収めたいと思います。
石段を下り、御守授与所と六角堂でひと休み
工事中の五重塔をあとにすると、今度は入り組んだ境内の階段を一旦下っていきます。
参道の途中には憩いの場となる休憩所があり、さらに売店を兼ねた御守授与所にも立ち寄りました。仁王門から399段の登廊を上りきり、さらに本堂や五重塔周辺など境内のかなり奥深くまで歩いてきたため、ここで少し足を休めることができたのは本当にありがたかったです。冷たいお茶や心地よい風を感じながら、ほっと一息つくことができました。
息を整えてから再び歩き出すと、その先に見えてくるのが「六角堂」です。 この六角堂の周辺まで来ると、長谷寺の境内がいかに広大であり、山の深いところまで張り巡らされているかを身をもって実感します。
しかし、今回の長谷寺めぐりの目的地は、ここだけでは終わりません。 次なる目指すべき場所は、さらに山奥にひっそりと佇む「奥の院・豊臣秀長公供養塔」です。
なぜここに?大和の主・豊臣秀長公と長谷寺の深い歴史
豊臣秀長(とよとみ ひでなが)公は、天下人となった豊臣秀吉の弟であり、温厚な人柄と抜群の調整能力で豊臣政権を影から支えた大功労者として知られる名将です。
では、なぜ奈良の山深き長谷寺の奥の院に秀長公の供養塔が建てられているのでしょうか。
秀長公は天正13年(1585年)に入国して以来、大和郡山城を居城とし、大和国をはじめとする南近畿を統治する大名となりました。長谷寺は大和国を代表する有数の古刹・大霊場であり、領主となった秀長公や豊臣家とも非常にゆかりの深い関わりを持っていました。 天正19年(1591年)に秀長公が病で没した際、その菩提を深く弔い、大和の安寧を祈念するために長谷寺の奥の院にも供養塔が建立されたと伝えられています。
こうした歴史的な背景や当時の人々の思いを知ると、山深い奥の院まで自らの足で足を運び、供養塔を訪ねる意味もよりいっそう深く感じられます。
想像以上の険しさ!汗を流して目指す奥の院への山道
六角堂の付近まで一旦階段を下り、そこから気持ちを新たに奥の院を目指して歩みを進めます。 しかし、この奥の院への道すがらが、実際に歩いてみると想像以上に大変な道のりでした!
奥の院は、先ほど参拝した本堂にも負けないほどの標高に位置しており、本格的な山の中へとどんどん入っていきます。 「せっかく本堂まで上り詰めたのに、一旦下ってから再び山を上り直す」という起伏に富んだルートになるため、一歩ずつ足を進めているうちに額からじわっと汗が吹き出してきました。
「まだ先なのだろうか」と心の中で問いかけながら、青々と茂る樹木に囲まれた山道をひたすら進みます。 長谷寺といえば、本堂へとまっすぐ続く399段の登廊があまりにも有名ですが、こうして境内の最奥まで自分の足で探訪してみると、登廊だけでは決して分からない、山寺(山岳寺院)としての本当の奥深さと厳かな気を感じることができます。
息を整えながら目的地を目指して一歩一歩踏みしめて進むと、緑の木の間にようやく奥の院の静かな空間が姿を現しました。
奥の院・豊臣秀長公供養塔へ念願の参拝
息を呑むような静寂に包まれた奥の院へたどり着き、ついに豊臣秀長公供養塔の前へと立つことができました。
本堂からのアップダウンでかなり歩き、じんわりと汗をかきましたが、無事に供養塔へ手を合わせ、参拝を果たすことができて心の底からほっとしました。古の時代に想いを馳せ、静かに祈りを捧げる時間は何物にも代えがたい貴重なひとときです。
仁王門から始まり、下廊の鉢植えの蓮、長谷型灯籠、天狗杉、蔵王堂での蔵王三鈷、そして本堂、五重塔、本長谷寺、六角堂、奥の院へ。 長谷寺の広大な境内を余すところなく歩き回ったことで、最初に仁王門をくぐったときには思いもしなかった、歴史ある山寺としての長谷寺の本当のスケール感と奥深さを身をもって体感することができました。
旅の締めくくり!歴史の風格漂う「本坊」へ
奥の院での参拝を終えて静かな山道を戻り、長谷寺の旅の最後に向かったのが「本坊」です。
本坊の周辺には、重厚で歴史の重みを感じさせる壮麗な建物が立ち並び、長谷寺が1300年以上の長い年月をかけて脈々と守り続けてきた大本山としての格調高い風格が漂っています。 このときは大講堂などの一部の建物が改修工事中とのことでしたが、周辺の落ち着いた佇まいからは、歴史を刻んできた文化財としての美しさを十分に垣間見ることができました。
そして、この本坊周辺の少し開けた場所から眺める境内のロケーションも、今回の旅のラストを飾るにはまさにぴったりの最高のロケーションでした。
境内の全景を振り返る感動の達成感
本坊の立ち位置からは、これまで自分が歩んできた長谷寺の広い境内を一望して見渡すことができます。
仁王門から本堂へと続くあの399段の登廊を上り、本堂の舞台から初瀬の町を眺め、工事中の五重塔へ向かい、さらに六角堂から急な坂道を上って奥の院へ。 途中で何度も階段を上り下りし、たくさん歩いて汗もかきました。 それだけに、自分が巡ってきた思い出の場所を一望しながらこの旅の工程をゆっくり振り返ると、胸の中に万感の思いと大きな達成感がこみ上げてきました。
長谷寺は、有名な本堂だけを訪れて満足して終わるのではなく、その奥に広がる五重塔や六角堂、そして奥の院など、自らの足で歩いてこそ出会える素晴らしい魅力と歴史が随所に詰まっています。
今回は五重塔が改修工事中であったため、その美しい全貌を見ることはできませんでした。 だからこそ、「いつの日か改修工事がすべて終わった五重塔の姿を見に、絶対にまたここを訪れよう」という心強い楽しみができました。 そのときには、今回歩き抜いた愛着ある境内をもう一度晴れやかな気持ちで見渡し、新しく完成した五重塔も含めた最高の長谷寺の絶景を心ゆくまで堪能したいと思います。
所在地
〒633-0112 奈良県桜井市初瀬731−1 長谷寺本堂


































