【余呉湖】「鏡湖」の別名を持つ神秘の湖へ。カエルの合唱に包まれる穏やかな余呉駅からの第一歩(前編) ( 滋賀県長浜市の旅 : 2026-04-25 )
Contents
余呉湖(滋賀県長浜市)
はじめに
前回のブログでは、琵琶湖に浮かぶ神秘の島・竹生島を巡り、歴史ロマンあふれる都久夫須麻神社や宝厳寺での感動的な参拝の様子をお届けしました。
【竹生島】琵琶湖に浮かぶ神の住む島へ。長浜港からの快適な船旅と歴史ロマンを巡る旅(第3回・完結編) ( 滋賀県長浜市の旅 : 2026-04-25 )
島での充実した時間を終え、観光船で長浜港へと戻り、再びJR長浜駅へ。そこからこの日の午後に向かったのは、さらに北へと進んだ場所にある「余呉(よご)駅」です。今回は、琵琶湖の北部にひっそりと佇む美しい「余呉湖」を目指す旅 of 始まりと、どこか懐かしい駅前ののどかな風景、最初の目的地である余呉湖観光館までの道のりを「前編」として詳しくレポートします。
北陸本線の車窓から広がる旅の妄想
近江塩津駅まで続く北陸本線ですが、実は私は以前、特急「しらさぎ」に乗って敦賀駅へと向かったことがありました。しかし、その時は特急だったため、長浜駅から余呉駅の間に位置する各駅には停車していません。
そのため、途中に現れる虎姫駅、河毛駅、高月駅、木ノ本駅といった駅の周辺をじっくりと眺めるのは今回が初めてのこと。車窓から流れる新鮮な光景に、移動中からワクワクが止まりませんでした。
特に河毛駅が最寄駅となる「小谷(おだに)城」は、あの戦国武将・浅井長政の居城としてあまりにも有名であり、歴史好きとしてはいつか必ず訪れてみたい憧れの場所です。また、高月駅周辺は「観音の里」エリアとして知られており、高月観音の里歴史民俗資料館や渡岸寺(どうがんじ)観音堂など、こちらも大変魅力的なスポットが点在しています。
さらに木ノ本駅は、羽柴秀吉と柴田勝家が激突したことで名高い「賤ヶ岳(しずがたけ)の戦い」の舞台、賤ヶ岳リフト乗り場の最寄駅です。駅の東側には情緒ある木ノ本宿や木之本地蔵院もあり、これまた散策欲をそそられる魅力的なエリアとなっています。
車窓を眺めながら「次はあのお城に行こう」「あの街並みも歩いてみたい」と、今後の旅の妄想を膨らませていたら、列車はあっという間に目的地である余呉駅へと滑り込みました。
タイムスリップしたかのような余呉駅とカエルの大合唱
余呉駅に降り立ってまず驚いたのは、その圧倒的な静けさと、目の前に広がる日本の原風景のような美しさです。
駅の周囲はなだらかな山々にすっぽりと覆われており、駅前には一面に青々とした田んぼが広がっています。さきほどまで滞在していた、多くの観光客で大いに賑わっていた長浜駅から、各駅停車でたった五駅離れただけだとは到底信じられません。まるで一瞬にして別の時代へとタイムスリップしてしまったかのような、穏やかで優しい光景が駅前に広がっていました。
しかも、駅のホームや改札の周辺でしばし佇んでいると、静まり返った駅一帯に、信じられないほどの音量で鳴り響く音があることに気づしました。それは、目の前の田んぼに暮らすカエルたちの、実に見事な大合唱です。
この時、時計の針が指していたのはちょうど十三時半。お昼過ぎの明るい時間帯であり、日差しが心地よい穏やかな気候の真っ只中でした。このような昼日中から、これほどまでにカエルたちが元気に、そして途切れることなく歌い続けている光景に出会ったのは、私の人生の中でも初めての経験です。どこか懐かしく、生命力に満ち溢れたその歌声に耳を澄ませているだけで、胸の奥がじんわりと温かくなっていきました。余呉駅のホームに降り立った瞬間だけで、私はこの地のことが一瞬で大好きになってしまいました。
「鏡湖」の美称を持つ静謐な余呉湖を目指して
駅周辺の空気を存分に満喫したところで、いよいよ今回のお目当てである「余呉湖(よごこ)」へと向けて歩き始めます。
余呉湖は、滋賀県長浜市に位置する、琵琶湖のすぐ北側にあるとても静かな湖です。歴史の舞台となった賤ヶ岳をすぐ南側に挟んで、琵琶湖と向かい合うような位置関係にあり、湖の周囲は約六点四キロメートルほどの大きさとなっています。風が止むと、その穏やかな湖面がまるで本物の鏡のように周囲の山々や空の景色を美しく映し出すことから、古くより「鏡湖(きょうこ)」という大変美しい別名でも親しまれている場所です。
駅から徒歩で気軽にアクセスできる距離には、地域の手がかりが集まる「余呉湖観光館」や「余呉湖ビジターセンター」といった施設があるため、まずはそこを目標地点に設定しました。今回は、余呉駅から見てほぼ真南に位置し、余呉湖の北東エリアに建っている「余呉湖観光館」を目指してルートを取ることにします。
緑豊かな道路と芝桜に迎えられた余呉湖観光館
余呉湖のすぐ脇へと隣接している県道三十三号線を横切り進んでいきます。時折、地域の方や観光の方の車がそれなりの頻度で通り過ぎていくものの、道路の脇は歩行者が散策しやすいように整備されており、終始静かでリラックスした心地よい道中でした。
美しく整えられた「余呉導水路」の流れに沿って、豊かな緑を楽しみながら余呉湖方面へとまっすぐ進んでいくと、やがて目的地の左手に、お目当ての「余呉湖観光館」が姿を現しました。建物のすぐ目の前では、ちょうど見頃を迎えた色鮮やかで綺麗な芝桜が一面に咲き誇っており、まるでお客様を大歓迎してくれているかのような華やかさで旅人を迎えてくれます。
建物の中に一歩足を踏み入れると、そこはまるで「小規模でアットホームな道の駅」といった、とても親しみやすい雰囲気に包まれていました。館内の軽食スペースでは、昔ながらの中華そばやカレーライス、季節を感じる筍(たけのこ)ご飯、おやつにぴったりのソフトクリームなどが用意されており、歩き疲れた体に嬉しいメニューが揃っています。また、地元の特産品やおみやげ品が並ぶ売店コーナーもあり、綺麗なトイレも完備されていました。
ちょうど賤ヶ岳周辺のハイキングや登山を楽しまれた方々が、ほっと一息つくための絶好の休憩所になっているようです。建物の規模に対して駐車場がかなり広大に確保されているのも特徴的で、ここに車を停めて周辺をハイキングしたり、余呉湖をぐるりと一周散策したりするための素晴らしい拠点として機能しているのだと感じました。
私も、この鏡のように美しい余呉湖を丸ごと一周歩いてみたいという強い気持ちは山々だったのですが、午前中に訪れた竹生島で階段や境内をかなり精力的に歩き回っていたこともあり、手元の歩数計を確認するとこの時点で私の歩数はすでに一万三千歩を大きく超えていました。ここで無理をしては午後の散策に響くため、今回は湖の完全一周はあえて断念し、また次回この地を深く訪れる際の大いなる楽しみとして取っておくことにしました。
後編の散策に向けて
余呉湖観光館で心地よい地域の温もりに触れた後は、いよいよ余呉湖の瑞々しい湖岸に沿うようにして、県道三十三号線をさらに西へと進んでいきます。
この先、次なる目的地である「余呉湖ビジターセンター」の周辺へと向かって歩いていくのですが、青く穏やかな湖畔で見つけたさらなる絶景や、水辺の美しい様子については、次回の「後編」ブログにてたっぷりとご紹介させていただきたいと思います。どうぞお楽しみに!
地図:余呉湖 観光館
〒529-0521 滋賀県長浜市余呉町下余呉1938
































